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湊side
保健室の石谷先生を連れて戻ってきた資料室。
半開きになったドアの隙間から見えたのは、蓮の腕の中でぐったりとする陵だった。
さっきは床に倒れていたから、1度目を覚ましたのかもしれない。
「陵君大丈夫？」
先に資料室へと体を滑り込ませた先生が、蓮に声をかけた。
蓮が不安げな表情で石谷先生を見る。
「さっきまで起きてたんですけど、また意識飛ばしちゃって。すごい熱いからたぶん熱高いです。あとめっちゃ吐いてる…」
床の惨状を見れば、吐いたことは一目瞭然。高熱なのも、見るだけでわかる。
石谷先生は小さく頷いて、今度はおれを振り返った。
「病院連れてく。湊君、職員室まで行って陵君の早退届けお願いしていい？」
「はい」
寮暮らしのおれたちにとって、1番身近な大人は両親ではなく先生だ。
特に保健室の石谷先生はよくお世話になっているし、頼れる大人。
そんな先生の言葉に頷くと、彼女はそのまま蓮の方へ目を向けた。
「蓮君はとりあえず着替えた方が良いと思うから、保健室の予備のカッターシャツ借りて？」
「わかりました」
確かに蓮の着ているカッターシャツは、吐瀉物で汚れている。陵のものほどではないけれど。
「あと湊君、陵君運ぶの手伝ってくれないかな」
石谷先生からのもう1つのお願いに、おれはすぐに頷きを返した。
資料室に入って、蓮の腕から陵を抱き上げる。
熱すぎる陵の体に、ますます不安がつのった。
陵side
「…ん、っ」
気持ち悪さで、不意に意識が引き上げられる。
反射的に口を押さえて、重たい体を起こすと、隣から袋を渡された。
「気持ち悪くなっちゃった？大丈夫、吐いていいよ」
「っうぇ…ゲホ、ゴホッゲホ、っえ、」
びしゃびしゃと、袋の中に落ちていく吐瀉物。
資料室でめちゃくちゃに吐いたのに、まだ吐けるのか俺。
「辛いね、もう病院着いたから」
ゆっくりと、背中をさすられる。
ようやくその声の主が、石谷先生だということに気が付いた。
同時に、今俺が車の中にいることにも気付く。
車は病院の駐車場に止まっていて、俺、学校ちゃんと早退出来たのか。
「…ふ、」
汗で張り付く髪が、気持ち悪い。
落ち着いた吐き気に顔を上げると、石谷先生がひょいと袋を取り上げた。
「ちょっと休憩したら行こっか。だいぶヤバいよ陵君」
その優しい声に、ゆっくり頷く。
体を起こしているのさえ辛くて、俺は窓の方に体を預けた。
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暁☆(プロフ) - ayahanaさん» こちらこそいつも優しいコメントありがとうございます！ おかげでまだまだ続けられそうです (*´ `*) ぜひ今後ともよろしくお願い致します〜！ (2021年2月13日 9時) (
レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！まだ続けて下さるどころか頻度上がるかもということで凄く嬉しいです、次のお話も楽しみにしています！ (2021年2月13日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - ayahanaさん» お待たせして申し訳ありません！こちらこそ読んでくださりありがとうございます〜<(_ _)> (2020年8月20日 7時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年6月23日 20時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2018年6月15日 20時
