男子高校生の体調不良集 part2

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陵side


「…っぇ、ゲホッゴホッ…ぅえっ…」


「辛いなー大丈夫だから全部出しちゃえよー」


さっき俺は、気持ち悪さで目を覚ました。

そしたら、いつの間に交代していたのか蓮がいて、今の状況に至る。


「…っケホ、…も、だいじょぶ…」


「お疲れ。口ゆすごっか。ここ出して良いから」


蓮にペットボトル渡され、開けようとしたんだけど。


「…開かない…」


力の入らない腕じゃ、開けられなかった。


「まじか。大丈夫か…？」


蓮が心配そうにしながら、開けてくれる。

俺は大丈夫、と答え、口をゆすいだ。

さっきまで口の中が気持ち悪かったけど、それがすっきりした気がする。


「…迷惑、かけて、ごめん」


風邪引くだけならまだしも、吐くとか絶対やだろ。

俺なら気持ち悪いって思うし。


「調子悪いんだし仕方ないだろ？ほらもう休みな？」


でも蓮は優しく笑い、吐くために起こしていた俺の体を、寝かせてくれた。

頭まで撫でられ、俺はじろ、と彼をにらむ。


「ごめんって。おやすみ」


…絶対ごめんとか思ってない、コイツ。

謝るくらいなら撫でる手を止めないのはおかしいだろ、と思ったけど、何だかその蓮の手が心地良くて。


「おや、すみ…」


襲って来た睡魔に身を任せ、俺は静かに目を閉じたー…。









海真side


次の日の朝。

まだぼーっとする頭を、俺はゆっくり起こした。


「…ひろ？」


何でひろが。

俺が寝たときは湊がいたよな？あれ？

熱でぼうっとしてたからか、あまり覚えてない。


「…ん」


多分俺を看ていて寝落ちしてしまったのだろう。

ひろが目を開けたかと思えば、ガバッと跳ね起きた。


「え、あ、海真！おはよ、調子は？」


「もうだいぶ楽、」


「まだちょっと熱いな」


不意にひろの手が伸びてきて、その冷たさにびくりと体が跳ねる。

そこで、ノック音もなしに扉が開いた。


「おはよー海真、ひろも」


「オレはついでかよ」


愁がにこりと笑い、入って来る。



「湊から海真の体調悪いこと聞いて。ごめんね気付けなくって」


心配してくれた、のか？

申し訳ないという思いと、嬉しく思う気持ちが混じって、よくわかんない。


「…心配、かけてごめん。……ありがと」


普段あまり笑わないから、上手く笑えたかわからない。

それでも愁は、花のほころぶような笑みを返してくれた。




　

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