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海真side
「…うわ、たか」
体温計に表示された39.0の数字を見て、俺はため息をついた。
額に冷却シートを貼って目を閉じていた愁が、うっすら目を開ける。
「ごめんね、かいま。がっこう…」
熱い吐息と共に漏れた言葉に、俺は顔をしかめた。
「学校より愁のが大事だし。てゆーか俺、進んで学校行きたいほど勉強頑張ってないから」
さっきは恵に、行かないで欲しいアピールをしてたのに。
愁は優しいから。
「大丈夫。愁はちゃんと休んで、早く治せ」
なるべく優しい声色で、安心させるように言う。
愁のふわふわの髪を撫でれば、彼はほっとしたように、嬉しそうに笑った。
「…かいまは、やさしいね」
とろんとした、熱っぽい瞳で俺を見つめてくる愁が、小さな声で言う。
その言葉が予想外すぎて固まっていると、愁はいたずらっぽく笑った。
「……や、俺は優しくないから」
廊下で倒れていた愁を部屋まで運んだのは、恵。
愁の熱が高いことを確認して、部屋に運ぶように指示したのは、蓮。
俺は、何も。
ほとんど、見てるだけだったのに。
こんな俺が優しいって言えるんだったら、世界中の人が優しくなってしまう。
うつむいて黙った俺に、愁が首を傾げた。
「…かいま、やさしいよ？」
「……ありがとう。ほら愁は寝な」
この話は終わりな、と言うように彼の頭を撫でる。
愁は素直に目を閉じた。
それから、彼の口から小さく呟きが漏れる。
「……かいま、きづいてくれたもん」
思わず愁を撫でる手を、止めてしまった。
え？と呟く。
愁は目を閉じたまま、ゆっくりと言葉を発した。
「…ぼく、こわかった。ろうかで、からだうごかなくなったとき。…だれかきづいてっておもってたら、かいまが、きづいてくれた」
だってあれは、偶然で。
たまたま俺が、一番に扉を開けただけで。
何も言わない俺をどう思ったのか、愁がうっすら目を開けた。
「……かいまがきてくれて、それだけでもう、あんしんできた。ありがとう、かいま」
いつもより呂律の回っていない、その言葉が。
「………別に」
泣きたいほどに嬉しくて。
愁は、ふにゃりと柔らかい笑顔を見せてくれた。
それから彼が、呟く。
「いまも、そばに、いてくれて…あり、がと…」
言い終わるとすぐに眠りに落ちた愁に、俺は小さく、どういたしまして、と笑ってみせた。
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匿名リリス - 暁✩さんへしつもんとリクエストです!! お腹弱めの子はいますか？いたら，その子が胃腸炎にかかって胃腸炎で脱水になるまでこじらせてしまう系は出来るでしょうか？すいません，胃腸炎系大好物で… (8月24日 21時) (
レス) id: e14be183ea (このIDを非表示/違反報告)
暁☆ - 晴さん» 作者も共倒れ系のお話大好物なんです！！なので二人が体調崩すのは書いていて楽しかったです！ 今あるリクエストが消化出来たら、また書いてみたいですね！ コメントありがとうございます！m(_ _)m (2019年8月9日 10時) (レス) id: b3d28df6ed (このIDを非表示/違反報告)
晴 - 海真くんが放置されちゃう感じ好きすぎます！その後、ちゃんと海真くんのそばにいてあげるのも最高です！2人体調崩してどっちかが、ちょっと我慢しなきゃいけない感じほんとに好きです。また、こんな感じのお話書いて欲しいな、、。海真くんが好きです。 (2019年7月16日 0時) (レス) id: 32acc50bba (このIDを非表示/違反報告)
暁☆ - マコトさん» 温かい応援ありがとうございます！更新遅くなっていてすみません…！時間が空いたときにちょっとずつ更新していけるようにしますので、これからもお願いします！(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2018年6月16日 19時) (レス) id: 79c42c199e (このIDを非表示/違反報告)
マコト - この作品は個人的に好きだったのですが、最近更新停止気味になってしまい少し残念に思っていましたが、また再更新していただいてとても嬉しかったです。これからも応援しています。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: fb4892608a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2018年1月12日 18時
