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ひろside
がた、と誰かが席を立つ音がした。
6時間目の授業真っ只中。
音がした方を振り向くと立ち上がっていたのは学級委員。
「すいません、トイレ、行ってきます」
左手でお腹の辺りを押さえている。
腹痛いのか？それだったら昼飯食わなかったのも理解できるけど…。
蓮の顔は、真っ白だった。
先生の返事を最後まで聞かず、教室を出て行く。
オレも思わず立ち上がった。
「蓮見て来ます」
先生の制止は、聞かない。
あわてて教室を出てトイレの方へ走る。
「大丈夫か！？」
間に合わなかったのだろう。
蓮は途中で廊下に膝をついて、口元を押さえていた。
その指の隙間から、吐瀉物が流れている。
オレは彼の背中を、下から上に擦った。
「もう全部出しちゃえ。廊下なんか片付けれるから」
背中を擦られたことで、余計吐き気が強まったのか、口元を押さえる右手に、力が入る。
オレがその手を強引に離してやれば、簡単に決壊した。
「…ぅ…っゲホッ、ぅえ…っ…ゲホッゴホ、…っは…っゴホッ…」
涙目で苦しそうに嘔吐する蓮に、何て言えば良いのかわかんなくって、無言で背中を擦り続ける。
朝ごはんと胃液を吐き出し、蓮はようやく落ち着いた。
「ごめん、これ、どうしよ…先生、呼んで来なきゃだよな…」
「蓮はここにいれば良いから。オレ先生呼んで来る」
「でも、」
「でもじゃねぇよ。大人しくしてろ」
強めに言えば、蓮がびくりと体を揺らす。
「ごめ、ん」
伏せた彼の瞳から、涙が流れた。
吐いたときの、生理的なものの余韻かもしれない。
オレは小さく息をつく。
蓮がまた、ごめんと呟いた。
「あのなぁ、オレは謝って欲しいんじゃねぇの」
その言葉に、蓮が目線を上げる。
その瞳を真っ直ぐ見つめることはできなくて、オレは目をそらした。
「…言って、欲しかった」
オレじゃ全然、頼れないかもしれないけど。
「何で、嘘つくんだよ。昼も、大丈夫じゃなかったんだろ？ちゃんと、言えよ」
違う。オレが、もっと気にかけていれば。
もっとちゃんと、聞いていたら。
オレが。
「…うん。ごめんな、心配かけて。ありがとう」
どうして、そんな風笑うんだ。
何でそんなに、優しいんだよ…。
「あれ、ひろ君…って何これ蓮君大丈夫！？」
ちょうど階段を上って来た石谷先生が、廊下の惨劇に声を上げた。
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匿名リリス - 暁✩さんへしつもんとリクエストです!! お腹弱めの子はいますか？いたら，その子が胃腸炎にかかって胃腸炎で脱水になるまでこじらせてしまう系は出来るでしょうか？すいません，胃腸炎系大好物で… (8月24日 21時) (
レス) id: e14be183ea (このIDを非表示/違反報告)
暁☆ - 晴さん» 作者も共倒れ系のお話大好物なんです！！なので二人が体調崩すのは書いていて楽しかったです！ 今あるリクエストが消化出来たら、また書いてみたいですね！ コメントありがとうございます！m(_ _)m (2019年8月9日 10時) (レス) id: b3d28df6ed (このIDを非表示/違反報告)
晴 - 海真くんが放置されちゃう感じ好きすぎます！その後、ちゃんと海真くんのそばにいてあげるのも最高です！2人体調崩してどっちかが、ちょっと我慢しなきゃいけない感じほんとに好きです。また、こんな感じのお話書いて欲しいな、、。海真くんが好きです。 (2019年7月16日 0時) (レス) id: 32acc50bba (このIDを非表示/違反報告)
暁☆ - マコトさん» 温かい応援ありがとうございます！更新遅くなっていてすみません…！時間が空いたときにちょっとずつ更新していけるようにしますので、これからもお願いします！(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2018年6月16日 19時) (レス) id: 79c42c199e (このIDを非表示/違反報告)
マコト - この作品は個人的に好きだったのですが、最近更新停止気味になってしまい少し残念に思っていましたが、また再更新していただいてとても嬉しかったです。これからも応援しています。 (2018年6月16日 18時) (レス) id: fb4892608a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2018年1月12日 18時
