僕たちのなかに殺人鬼がいる (２)

Episode 65 ページ20

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後ろを振り返ると、

虎耳の男の子が不安そうにこちらを窺っていた。





よく見ると、さっきの写真の男の子。





...気づかなかった。





足音ひとつ聞こえなかったのに、いつの間に...










怪訝に見つめあっていた僕らだったけれど、

彼は莉犬くんを見ると

焦ったように莉犬くんの手を掴んで引っ張った。





「莉犬くんこっちへ来るっす！

　そいつ不審者っすよ！」





赤『えっ、お、俺...！？』





「そうっすよ！！

　あ、お兄ちゃんを呼んできてほしいっす！

　ここは俺っちが何とかするっすから！」





赤『おにい...え...！？』





「早く行くっす！その地下室のドアから！」





赤『んな、えっ？行くの！？ここぉ！？』





男の子が指差した方を見ると、

その地下室の扉というのは本棚の下の段にあり、

錆や埃でかなり汚れていた。





正直触るのも憚りたいほどの汚れ具合。





けれど、男の子のその必死さに困惑し、

莉犬くんも訳が分からないまま扉に手をかけた。





そのまま僕の方を振り返り不安そうに見つめてくる。





赤『ころちゃん...』





青『莉犬くん、いってらっしゃい！』





赤『裏切り者ぉぉぉぉ！！泣』





「何してんすか、早く行くっす！」





赤『くぅ...っ』ｶﾞﾁｬ










そして莉犬くんは男の子に背中を押されて

地下室へと消えていった。










あとは頼んだ、莉犬くん。










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