僕たちのなかに殺人鬼がいる (２)

Episode 64 ページ19

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部屋の中は、外と違って綺麗だった。





というか妙な生活感があった。





机の上には本が広げられたままだし、

服も干されている。





それに、どこかから

コーヒーの良い匂いがするのだ。





青『なんか居心地良いのに気味悪いね。』





堪らず莉犬くんに声をかけた。





赤『...』





青『？ 莉犬くん？』





でも莉犬くんから返事がない。





何かを手に持って静止している。





不思議に思って彼の側に寄り、

手に持っているものを後ろから覗きこんだ。





青『なにし...て......』





そして彼が持っているものを見て、

僕も同じように固まった。





彼が持っていたのは一枚の写真。





赤毛の犬耳の男の子が、

虎耳の男の子とお兄さんに挟まれて

幸せそうに笑ってる写真。










青『莉犬くん...だよね、これ。』





赤『...うん。』





青『この人たちは？』





赤『...俺も分かんない。』





そう言ってそっと写真を棚に戻した。





赤『俺、実は子供の頃の記憶無いんだよね。

　 気づいたら施設にいて、中学生で。』





青『...そっ、か。』





赤『...』










なんて返したらいいか分からない。





...大変だったね？





...もっとはやく言ってよ？





考えれば考えるほど分からなくなって。





青『......』





ついにはお互い黙りこんでしまった。



















＿＿＿＿と、その時だった。










「なに、してるんすか...？」










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