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その頃、クラスではある事件が起こっていた。
クラスメイトの青山さんが、用務員さんと非常階段で抱き合ってたとかキスしてたとか噂になり、青山さんは停学処分になった。
私は青山さんとそれほど親しくなかったけれど、明らかにクラスで浮いていても、どんな噂を立てられようと、まっすぐ前を向いている青山さんがかっこいいと思った。
それに好きになった人を諦められない気持ちはよくわかる。
そのことがきっかけで青山さんとはよく話すようになった。
青山さんは用務員さんとの真相を教えてくれて、私も青山さんにだけ、二宮くんの話をした。
「黄田さんすごいね」
「すごくないよ…必死なだけ」
「二宮くんの好きな人って誰なんだろう」
「たぶん先生だと思う」
「え？！」
「水上先生、演劇部の顧問の」
「あー…あのモデルさんみたいな」
「英語ペラペラで美人で性格もいいって。
私に何か頑張れるところあるのかな」
「……情熱？」
「……情熱…はあると思う」
その日は梅雨の合間の晴れ間が2日連続で続いていた。
プールで泳げると体も気持ちも軽くなる。
「黄田っち、まだ泳いでいくの？」
先輩がプールサイドを掃除しながら言う。
「はい、あと2本だけ。あ、掃除しておきますから」
「そう？じゃあお先にー」
スタート台から水の中に飛び込む。
フォームを確認しながらゆっくりゆっくり泳いでいると。
プールを囲んでいるフェンス越しに人影が見えた。
水面に顔を上げて、もう一度見る。
「二宮くん？」
二宮くんがぼんやりした顔でこっちを見ていた。
「どうかした？」
「黄田が泳いでるとこ初めて見たわ」
「そうだっけ？」
「……そっち行ってもいい？」
「いいよ？今私しかいないし」
二宮くんが白いコンバースのスニーカーを脱いでプールサイドに裸足で歩いてきた。
「みりん元気？」
「うん、元気だよ」
「そっか。ここで見ててもい？」
「いいけど……」
何かあったのかな。
と思いながら、続きの平泳ぎ、バタフライ、クロールを泳ぐ。
二宮くんに見られてると思うと緊張した。
最後の25メートルを泳ぎ終わって水面に顔を出す。
「すごい。水の中ってどんな感じなの？」
「静かだよ」
あ、もう上がるね、と言おうとした瞬間。
横で、どぼん、と音がして水しぶきが上がった。
「に、二宮くん？！」
制服を着たまま、二宮くんがプールに飛び込んでいた。
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みみ - reiさん、つむさんこんばんは。reiさんのお話が好きでこちらにもお邪魔させてもらいました 。どのお話もとても素敵で、繋がりも感じられて、読み終わった時どこか切なくても大切な何かが残っている気がしました。また次のお話を楽しみにしています。 (2019年4月5日 16時) (
レス) id: 4269c85d7b (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - reiさん、つむさんこんばんは。reiさんの大ファンでそちらよりお邪魔しました。つむさんは初めましてかな？とっても素敵なコラボ作品をありがとうございました。つむさんの作品も読みたいのですがどうやって探そう… さ、まずはダカーポしてきます。 (2018年7月19日 0時) (レス) id: 7382a51a30 (このIDを非表示/違反報告)
さら☆(プロフ) - reiさんとつむさんの大好きなお二人による作品！また大好きなお話が増えました。期待通りに戻って読み返すマニュアル通りの私！笑リンク部分は、嬉しく、そして最後に眼鏡をかけてる相葉先生！もしかして彼女に気を遣い？なんて☆また同企画がありましたら嬉しいです！ (2018年7月12日 3時) (レス) id: 1078765f1f (このIDを非表示/違反報告)
2038(プロフ) - とっても面白かったです(^^)全てのお話が繋がってて最後まで読んで、ぁあこういうことか！驚きました。二宮くんにも是非幸せになって欲しいですね! !続きがいつか読めたらいいなと密かに楽しみにしてます。 (2018年7月9日 21時) (レス) id: c512e9cb5a (このIDを非表示/違反報告)
めいぷる(プロフ) - とても良かったです！！！！！最後に繋がって無限ループ！！二宮担的には二宮さん幸せになって欲しいけど、ニノちゃんの恋が切なくて似合ってる！とも思ってます。黄田ちゃん諦めないで！！ (2018年7月7日 17時) (レス) id: ae3f3fc11e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年5月14日 16時
