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先生の正体が誰にもバレませんように、と本当は思っていた。
だけど先生ともっと近付きたくて「プロデュースする！」なんて言ってしまったあの日。
私が今抱えてる気持ちは、大きな後悔だ。
「失礼します...」
久し振りに生物準備室へ行くと、先生は公助を掌に乗せて立っていた。
「緑川さん。何かここで会うの久々だね」
白いシャツに、黒いパンツ。
眼鏡を取って髪型が変わっても、それだけは変わってない。
「公助、寂しがってたよ。緑川さんが来ないから」
「公助が...」
そんなワケ無いよって思ってる私の手の中に、先生が公助を乗せる。
「...先生、短い髪...似合いますね」
「いや...ありがとう、そのお礼を言いたかったんだ」
「お礼なんて良いんです。だって、先生のポテンシャルが元々お宝だったんですから！」
私は、ちゃんと笑えてるだろうか。
笑えてる自信が、全く無い。
先生が私の手の中に居る公助を指先で撫でた。
まるで、自分が撫でられてるみたいで泣きそうになる。
「それに...先生は眼鏡を取って髪を切っただけです。プロデュースとか言ったけど、私は何もしてません」
「そんな事無いよ」
「いいえ、...私は何もしなかったって事にしたいんです...」
「...え？」
公助を先生の手に返す。
先生は眉間に皺を寄せて、困ったように私を見た。
「私は...ずっと先生を観察してました」
「観察？僕を...？」
「漫画みたいな人だなぁって」
不思議そうに、私の話を聞いてる。
「全部お宝なのに、全部隠しちゃってるなんて勿体ないって」
「......」
「...でも、隠せてないなぁって...少なくとも、私には隠せてないなぁ...って」
先生は公助をケージに戻して、パイプ椅子を広げ私に座るよう促した。
私が座ると、先生も椅子に座る。
「みんなが先生の正体を知ったらどうなるんだろうって、思いました」
「正体って...僕はずっと僕だよ」
やっぱり困ったような表情で笑う先生を見てると、本当に苦しくなる。
「だけど、...本当は知られたくなかったんです...」
「......」
「私は、先生を私だけの秘密にしておきたかったんです」
「僕を...？」
「先生の目は、本当は...」
...本当は、先生の目は私だけが知ってる『宝物』にしておきたかった。
「...だから、それを自分から皆に教えてしまったと思いたくないんです」
「緑川さん、それってどういう...」
「良いんです！先生は『コイツ意味分かんない』って思ってくれたら」
今度は、ちゃんと笑えただろうか。
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みみ - reiさん、つむさんこんばんは。reiさんのお話が好きでこちらにもお邪魔させてもらいました 。どのお話もとても素敵で、繋がりも感じられて、読み終わった時どこか切なくても大切な何かが残っている気がしました。また次のお話を楽しみにしています。 (2019年4月5日 16時) (
レス) id: 4269c85d7b (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - reiさん、つむさんこんばんは。reiさんの大ファンでそちらよりお邪魔しました。つむさんは初めましてかな？とっても素敵なコラボ作品をありがとうございました。つむさんの作品も読みたいのですがどうやって探そう… さ、まずはダカーポしてきます。 (2018年7月19日 0時) (レス) id: 7382a51a30 (このIDを非表示/違反報告)
さら☆(プロフ) - reiさんとつむさんの大好きなお二人による作品！また大好きなお話が増えました。期待通りに戻って読み返すマニュアル通りの私！笑リンク部分は、嬉しく、そして最後に眼鏡をかけてる相葉先生！もしかして彼女に気を遣い？なんて☆また同企画がありましたら嬉しいです！ (2018年7月12日 3時) (レス) id: 1078765f1f (このIDを非表示/違反報告)
2038(プロフ) - とっても面白かったです(^^)全てのお話が繋がってて最後まで読んで、ぁあこういうことか！驚きました。二宮くんにも是非幸せになって欲しいですね! !続きがいつか読めたらいいなと密かに楽しみにしてます。 (2018年7月9日 21時) (レス) id: c512e9cb5a (このIDを非表示/違反報告)
めいぷる(プロフ) - とても良かったです！！！！！最後に繋がって無限ループ！！二宮担的には二宮さん幸せになって欲しいけど、ニノちゃんの恋が切なくて似合ってる！とも思ってます。黄田ちゃん諦めないで！！ (2018年7月7日 17時) (レス) id: ae3f3fc11e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年5月14日 16時
