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24話 ページ24






「…こ、こんにちは伊黒君…。」

「ああ、なんだAか。」



みんながみんな私のことをナチュラルに名前で呼ぶのはもう気にならない。それよりこの状況よ。



冨岡君に振り回されヘトヘトになった帰り道、そう言えば牛乳切らしてたよなと思い出して近くのスーパーに寄ることにした。丁度野菜とかも買いたかったし。


そしてふりかけ売り場の付近で黒いマスクの人と会った。
…彼こそが私の恐れている伊黒君である。



「お前も買い物か?」

「う、うん。」



まあスーパー来て買い物じゃなかったら逆に何しに来たんだよって感じだしね。まあ触れないでおこう。



「そうか。
……買うものはそれで全部なのか?」

「え?そうだけど…。」

「そうか。なら仕方ない。本当に仕方がない。仕方がないから仕方がないな。」



…伊黒君が仕方ないマシーンと化してしまった(白目)

















「いや!本当に大丈夫!大丈夫だから!ね!」



多分伊黒君の前でこんなに大声を上げたのは初めてだと思う。でもそんなこと気にしちゃいられない。

なんたって、お会計済ませたら伊黒君が突如現れてあろうことか「仕方ない、本当に仕方ないな、仕方がないから(以下略)その荷物を俺が運んでやろう。」と言い出したのだ。


自分の買ったものを運んでもらうのは凄く気が引けるし何より申し訳ない。そしてその後が怖い。



だから今こうやって必死にお気持ちだけは受け取る旨を伝えているのに全く聞きやしない。

ちょっと駄々捏ねる小さな子供のようにすら見えてくる…。



「うるさい。さっさと貸せ。」

「あ、ちょ…!」



次の瞬間、私の手の中にあったはずの荷物は伊黒君の片手に収められていた。

まるでただの瞬間移動のようだ。



「行くぞ。」

「え、あ、」



一人焦っている私を置いて伊黒君はスタスタと前を歩いて行く。

このままでは伊黒君に荷物が攫われてしまう!と錯覚し、急いで伊黒君の後を追い掛けた。

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aya(プロフ) - ラストに向けた展開に心揺さぶられました! (2021年6月8日 2時) (レス) id: 72cb3c8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - ヤバっ!トリハダたちました…! (2021年5月16日 13時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
- 学園祭のお話がすごーく良かったです!高校時代に戻りたくなっちゃった。茶道部だったから不死川さんにお茶点てて差し 上げたいわ〜。 (2021年3月14日 0時) (レス) id: 7c1fbdaf37 (このIDを非表示/違反報告)
くれ - めっちゃ面白いです (2021年1月2日 17時) (レス) id: f26c98ad88 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の水道水(プロフ) - いやなんかw主人公の実況が好きすぎてw (2020年11月18日 7時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月11日 23時

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