17話 ページ17
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今日は休日だ、あの三人組に会わなくて済むと心の中で喜びの舞を舞っていたら突然インターホンが鳴った。
誰だよ私の平和で穏やかな休日を潰しにかかってくるのは。
町内会の人？それとも近所の小学生？
誰でも良いから早く要件を終わらせようと思って玄関の扉を開くと。
あら不思議。
冨岡君そっくりさんが立っているじゃありませんか。
「……。」
目の前の冨岡君そっくりさんは一言も発さず私のことを見ているだけだった。
「……。」
「……あのー…。」
落ち着け、動揺するな私。これは冨岡君のそっくりさんだ。断じて冨岡君本人ではない。
断じて…断じて…。
……いや、この爽やか系イケメンと無口具合はうちの学校の冨岡君だ。認めよう、私。
認め…認めよ…う…(震え声)
「なんだ。」
いやそれこっちのセリフ。
なんだって…私が聞きたいんだけど。
「いや…冨岡君なぜ家の前に…。」
「……行こう。」
「ん？」
五周くらい回って会話の噛み合わなさにもはや笑いすら生まれてくる。
「行こうって…どこに？」
「家を出る準備をしろ。三十秒で。」
三十秒。鬼畜過ぎない？
いきなり家に押しかけてきて三十秒で支度しろって…新手の嫌がらせとしか思えない。
「いや…ちょっと今日は…。」
家出るのだるいんでパスさせてください、と思った瞬間、冨岡君はシュンと撫でて貰えなかった仔犬のように萎れてしまった。
どうしよう心做しか垂れ下がった尻尾と犬耳が見えてくる。
動物好きな私には些か申し訳なさを煽るそんな姿に諦めの溜め息が出た。
「わ、わかった、わかったから…。」
慌ててそう言うとわかりやすいくらい嬉しそうに顔を上げた。あらまあ随分と可愛らしいこと。
先程まで垂れていた耳と尻尾がピンって上がった。冨岡君の前世は犬とみた。
．
「でもね、流石に三十秒で支度は無理だから…。」
「そうか(なら仕方ないな)。四十五秒でどうだ？」
「うーん、取り敢えず分単位にして貰えるかな？」
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aya(プロフ) - ラストに向けた展開に心揺さぶられました！ (2021年6月8日 2時) (
レス) id: 72cb3c8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - ヤバっ！トリハダたちました…！ (2021年5月16日 13時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - 学園祭のお話がすごーく良かったです！高校時代に戻りたくなっちゃった。茶道部だったから不死川さんにお茶点てて差し 上げたいわ〜。 (2021年3月14日 0時) (レス) id: 7c1fbdaf37 (このIDを非表示/違反報告)
くれ - めっちゃ面白いです (2021年1月2日 17時) (レス) id: f26c98ad88 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の水道水(プロフ) - いやなんかw主人公の実況が好きすぎてw (2020年11月18日 7時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白霞
| 作成日時：2020年7月11日 23時
