12話 ページ12
私は不死川君と並んでコンビニの商品を見ていた。
実は買いたい物特にないんだよね。無難にシャー芯でも買っとこ。
そう思ってBのシャー芯を手に取ると不死川君が別のコーナーの方をじぃっと見ていることに気がついた。
私もそちらに目をやるとお菓子コーナーだった。スナック菓子とかじゃなくてゼリーやお饅頭やらが置いてあるコーナー。
不死川君そんなにガン見するなら見に行けば良いのに。私は逃げも隠れもしな……いとは言い切れないけど。
もじもじしてるし凄く行きたそう。私がいる手前いけないって感じなのかな。
なら私が誘導してあげれば私は良い人だって思ってもう付き纏われずに済んだりしちゃう…?
もう藁をも掴む思いだ。
「不死川君、あっち見ても良いかな?」
私がそう言って不死川君のガン見してたコーナーを指さすとわかりやすく目を輝かせた。なんだか少しだけ可愛いと思ってしまった。
「あァ。」
そう言うと私が歩き出すよりも先に不死川君が歩き出した。余程行きたかったんだな。
不死川君がガン見し始めたのはおはぎだった。そもそも甘い物好きなんだ。何だか意外。
これがギャップ萌えってやつか…。
「不死川君は何か買うの?」
私がそう尋ねると不死川君はバツが悪そうにいや…と答えた。
いや絶対おはぎ買いたいよね?顔にバッチリ書いてあるもん。
甘い物買うのに抵抗でもあるのかな。
「家族とかに買ってあげれば喜ばれるんじゃないかなー…なんて…。」
さり気なく不死川君がおはぎを買いやすいように誘導する私優しい。え、優しくない?
不死川君はなるほどなァ…と言って六つ入りのおはぎのパックを二つ手に取った。
「うちは七人兄弟だからなァ。このくらい買わねェと足りないんだわァ。」
ふっと顔を綻ばせる不死川君。家族のことでも考えてるのかなぁ。
やっぱり顔が良い。あとギャップ萌えも加わって凄い素敵な人に見えてくる。
「良いね、兄弟。私一人っ子だから羨ましいよ。」
ここで先程のような沈黙になったら私のメンタルがもたないわ、と思い咄嗟にそう口にした。
でも羨ましいのは事実。大人数の兄弟とか憧れる。
「……今日、暇か?」
「え、うん…。」
ん?
「……家来るかァ。」
「……え''」
【速報】私、不良(仮)のお家に招待される
636人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aya(プロフ) - ラストに向けた展開に心揺さぶられました! (2021年6月8日 2時) (レス) id: 72cb3c8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - ヤバっ!トリハダたちました…! (2021年5月16日 13時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - 学園祭のお話がすごーく良かったです!高校時代に戻りたくなっちゃった。茶道部だったから不死川さんにお茶点てて差し 上げたいわ〜。 (2021年3月14日 0時) (レス) id: 7c1fbdaf37 (このIDを非表示/違反報告)
くれ - めっちゃ面白いです (2021年1月2日 17時) (レス) id: f26c98ad88 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の水道水(プロフ) - いやなんかw主人公の実況が好きすぎてw (2020年11月18日 7時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月11日 23時