『Tresor 』～Cinderella★Dream～ (ページ7)

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ま、とりあえず仕事は忘れて新入社員歓迎会とやらが開催される有名ホテルに３人で向かった。

入社式で見た限りだと新入社員は15名前後…

全体の社員は100人ほどと聞いていたから、そこそこ大所帯の呑み会。

潤は社長様のお付きに自ら志願したとかで一緒には来られなかった。

そもそもこんな席に社長は出席しないとの事で。

だからおそらく1番の年長者が居た堪れなさそうに挨拶をしてから乾杯。

立食形式だから面倒くさくて一度適当に取ったきり、そこから動かず滅多に呑めないシャンパンなんぞを飲んでみたり…。

雅『ニノ～！これ美味いよ！』

『よかったな。たんとお上がり？』

雅『うん！ニノも食べようよ！』

まぁくんのテンションとがっつき具合に周りは苦笑いでドン引き。

『ここ、いいかしら？』

『あぁ…はい、どう……ぞ。』

まぁくんから声のした方に顔を向けると、あの女だった。

『あら。』

向こうも俺と気づいてなく声を掛けたらしく、俺と気付くと目を驚いたように少しだけ開き…

『お疲れ様。』

そしてニコリと営業スマイルを浮かべる。

『なぁに？Aってばもう仲良くなったの？』

西岡Aの後ろからひょっこり顔を出したのは、この女とは全く違ったタイプの女の子。

コイツは女だけど、その子は女の子。

『違うわよ。たまたま入社式で隣だったの。』

『なぁんだ。てっきりもう彼氏ゲットかと思った。』

『今日の今日でどうしたらそうなるのよ。』

呆れたようにため息をついたその女はテーブルを挟んだ俺の正面に座ってシャンパングラスに口付ける。

新入社員って事は俺とタメかプラマイ2くらいだろうに、やけにサマになってて色気ダダ漏れで…

ただ見惚れた。

智『ニノ～。俺…眠くなっちゃった～。』

そんな甘えた声で現実に戻り、長椅子だったから膝をポンとすると、俺の隣に座った大野さんはゴロンと俺の膝に頭を乗せてご満悦。

智『やっぱニノの膝枕好き～。』

『はいはい。』

いつものように適当にあしらってタバコを咥えると、目を見開き固まる女性陣。

『言っとくけどゲイカップルじゃないからね。』

カチリとライターで火をつけた。

大学時代はずっとこうで、周りもそういうモノだと思われてだけどここはもう大学じゃない。

そこはしくったなとは思うけど、コイツと一緒にいる限りずっとこうだから、どう取り繕っても遅かれ早かれ周りに知られる。

そもそも俺らはお互いノーマルだしな。