『Tresor 』～Cinderella★Dream～ (ページ15)

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☆ ページ15

二宮との関係は側から見たら付き合ってるように見えるのか…

それとも割り切ったカンケーだと悟られてるのか…。

腫れ物を扱うようにそこの確信部分は空気を読めない発言を多々する雅紀でさえ突っ込んではこなかった。

絵里は薄々、何かを気づいているっぽいけど私にそれを話すわけもなく見て見ぬフリをする。

それはきっと大野も雅紀も…。

だけど…

『やっぱりシンデレラになりたいな。』

まだまだ子供の妹はそれになれると何の疑いもなく口にする。

その純粋さにまた私は自分の荒んでる部分を思い知る。

『いいわね。いつまでもお子ちゃまは。』

可愛いはずの妹に嫌味しか言えない自分に反吐が出る。

『お子ちゃまじゃないもん。もう高校生だし。』

『シンデレラなんて御伽話を口にしてるんじゃ、十分ガキよ。』

私の言葉にわかりやすく頬を膨らます。

『私だって本当にシンデレラになれるなんて思ってないわ。』

当たり前だ。

高校生で本当に信じてたら間違いなく私は即病院に連れて行く。

『ねぇ？お姉ちゃん？』

『ん～？』

『翼ってひとつじゃ飛べなくて、対じゃないと絶対に飛べないんだって。知ってた？』

『ふ～ん。』

シンデレラの次はそんな御伽話。

これっぽっちも興味ない。

『人はみんな片方しか持ってなくて、片方じゃ飛べないでしょ？だから高く飛べる対を探してるんだって。』

『で？』

『私はその片方を探してるの。それがきっと私にとっての王子様よ。』

目をキラキラさせて、まるでそれが真実かのように話す。

その純粋さがまた私の心を容赦なく抉っていく…。

『みんなそれぞれに絶対にその対となる愛すべき人がいるんだって…。』

『…出会えるといいわね？』

きっとあんたなら出会える。

みんなに愛されるべく生まれたあんたなら…。

けどきっと私には…。

『なんでそんなに他人事なの？お姉ちゃんにもいるに決まってるじゃない！』

『あんたね？私をいくつだと思ってるの？そんなの信じる年齢はとっくに過ぎたわよ。』

『歳なんて関係ないよ！お姉ちゃんにもお姉ちゃんだけの王子様は絶対にいるんだから！』

自分の事じゃないのにそんなに一生懸命になって…

そんなところも…

『…嫌いなのよ…。』

『え？何？』

『なんでもないわ。』

ホント…

どんどん自分が嫌いになる…。