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一日目のスケジュールを終えた頃、今朝よりももっと顔色が悪いことに気付いた。
近くにいたゆめくんに話を聞くと夕飯を吐いてしまったらしい。
「え、吐いたの?」
「そうっぽい。俺がトイレに見に行った時気付いたから教えてもらったけど、ぴんぴんしてるように見えて割と限界かもよ…」
「さっきも鎮痛剤飲んでたしね…」
心配だよね、とゆめくんと顔を見合わせる。
…心配だから、早く終わんないかなこの企画。
なんとなく、倒れたら嫌だから夜もカメちゃんと一緒に起きて一夜を過ごした。
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…二日目の昼頃、りょうくんから電話が掛かってくる。
「―もしもし?」
“あ、A?今平気?”
「…うん。なに、脱落者?」
“いや、てつやがリタイアした”
「、っえ?」
もしかして倒れた?止めればよかったのかも、と急に眩暈がする。
“自分でリタイアの基準設定したみたい。熱測って38度乗ってたら帰るって…けど一人で帰るのは流石にやばいからコテージで安静にさせることにしたんよ”
「…わ、わかった。こっち向かってんの?」
“多分もう着くと思う。看病してやって、ごめん任すわ”
「いいよ大丈夫。」
電話が切れても、なおバクバクと煩い心臓を抑える。
大事になってなくてよかったと安堵する一方、リタイアを決断したてつやのメンタル面も気になる。
…あんなに楽しみにしてたのに。
ぎゅ、と胸が締め付けられるのを感じ、着ているパーカーの裾を握りしめた。
もたもたはしてられない。
すぐ来るであろうてつやの看病用グッズを取りに自室まで駆け上がって用意した。
「ただいまぁ〜」
扉を開けるてつやはどっからどう見ても空元気だ。
顔色が悪すぎる。
「おかえり、とりあえず汗だけ流して服着替えて。」
「…おー。」
よく頑張りました、と背伸びして頭を撫でると不意に抱き寄せられる。
「……待望の企画なのに、」
肩口に顔を埋めるようにして熱い息がかかる。
熱のせいで弱ってるてつやは、いつもよりしおらしい。
パーカーがじわじわとてつやの涙で湿ってく。
「てつやは十分頑張ったよ。
リーダーが居らんと回らない東海じゃないんだから、大丈夫。」
ぐすぐすと小さく鼻をすすりながら涙を流すてつやを慰めながら、数分間抱き合ってた。
そのあと、なんとか涙が止まったてつやは顔を隠しながら逃げるように風呂に向かってった。
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フラワー(プロフ) - 更新ありがとうございます。サプライズいいですね〜♪ニヤニヤが止まりません…。夢の国ってとこがまた最高です!! (2019年10月18日 8時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 更新お疲れ様です!アンケートの返答として、橙さんが見たいです!第2希望で茶さんでお願いします! (2019年9月26日 20時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)
フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。アンケートですがゆめまるとリダを見たいです。これからも頑張って下さい! (2019年9月26日 13時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
なぁぴょん(プロフ) - 遊馬さん» ありがとうございました!!とても素敵なお話で読んでて楽しかったです(*´ω`*) これからも更新楽しみにしてます! (2019年7月8日 13時) (レス) id: c52ad61130 (このIDを非表示/違反報告)
フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまでした。リクエストですがゆめまるのちょっとエチな感じの見たいです。結構内にはエロさを秘めてるので。すいませんがよろしくお願いします。頑張って下さい。 (2019年7月6日 6時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊馬 | 作成日時:2019年5月21日 16時