*NEARER

[ymmr] ページ26

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…
ゆめまるじゃあさ、お祭りはどう?
浴衣、着てきてよ〜

＿＿


「ゆめくん…！お待たせ！」

「そんな待ってないよ〜」


にこにこといつも通りの笑顔を向けてくる彼に謝るとポンポンと頭を撫でられた

「浴衣 良いじゃん」

「…かわいい？」
「かわいい。」

食い気味で答えてくれたのが嬉しくて、つられて笑顔になる。
ゆめくんが 俺の色やね、と流し気味で言うもんだから バレてたのが少し恥ずかしい気持ちになる。


アラサーがピンクってちょっと、と一度は遠慮したけど ゆめくんのメンバーカラーでもあるから諦め切れず…

くすんだ様な落ち着いたピンク色を運良く見つけられたのでそれにした。


「行こっか、ゆっくりで良いからね。」


私の足元を見ながらそう声を掛けてくれる

下駄が歩きづらいことに気づいてくれる優しくて自慢の彼氏。


ありがとう、と礼を述べると所狭しと並ぶ屋台の間を手を繋いで歩き出した。


「A何食べる？」
「えーお祭り久々だもんね？見たもの全部食べたくなっちゃう。」
「折角だし、買い込んじゃう？」
「学生の頃の夢だね〜」


賛成！と口に出すと2人で意見を合わせながら 被らないように買い込む。

主食を3品分け合ってお腹がいっぱいになった所でビールとチューハイで乾杯する。


「ん〜〜幸せ」
「俺も〜食べすぎた。」


お腹きついね、なんて言ってほろ酔い気味で笑い合ってぶらぶら歩く


何となく目に付いたいちご飴を見詰めてたらゆめくんに食べたい？と声を掛けられる。

「……たべたい。」
「お腹いっぱい？」
「うん… けどお祭りじゃないと食べないから一粒のやつ買ってくる。」

俺も食べたいから買おう〜と手を引っ張られて屋台に近付くと気前のいい屋台のおじちゃんが一粒の代金のまま二粒のものをくれた。

お礼を言ってそのまま帰路に着く


祭りの騒音から離れると夢から覚めたみたいでちょっぴり寂しい


甘酸っぱいいちご飴の味
握る手の温かさ


視線がぶつかると軽く唇が重なった。


「…甘いね」
「いちご飴のおかげかも。」

ふふ、と笑いながら離れると 一粒ずつ平らげた



今年の夏も優しい君と夢のような時間を



＿＿＿ / end



―― Yumemaru × Summer festival

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