*NEARER

　 ページ2

Mushimegane side
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…なんか辱め受けてない？僕。
もう一度好き？と聞くと少しだけ頬を染めて、すき。と返ってきた。


「本当に？」
「当たり前じゃん！太紀さん不安なの？」

「少しね。」


ぽろりと本音がこぼれるといきなり饒舌になったAが一遍に喋りだす。


「…なんで不安？私太紀さんのことちゃんと大好きだよ。
全部大好きなのに、伝わってない？」

「…違うよ、僕が少し不安になってるだけだよ」
「伝わってたら不安じゃない！」

「僕が！Aに飽きられちゃわないか心配なんだよ。」


咄嗟に大声になってしまった事にごめんと謝って背を向ける。
苛立って声を荒げちゃだめだ。


後ろからきゅ、と裾を掴まれる。

Aが小さく呟く。


「ねえ、太紀さん。私太紀さんも虫さんも好きだよ。

小さくても出来ること沢山あるしかっこいいし。
忙しくても会いに来てくれるし。
口が悪くても、優しい事も知ってる。

全部私、だいすきだよ。」


なんで不安におもうの…？とゆらゆら揺れる瞳を見詰めるとそっとAを抱き寄せる。
不安なのは僕だけじゃないんだ。

(今更、年下に諭されて知るなんてなあ)


「ごめんね、

思ってるより僕Aが好きだし
思ってたよりAも僕が好きみたい。」


今気づいたんだ、その事実に。


不安がらないでいよう。
僕ら多分ずっと一緒に居れる気がするから。



「ねえA、愛してるよ。」


「！私も、愛してる。」



＿＿＿ / end


#

「愛してる？」
「うん！愛してるよ。」
「……恥ずかしいからやめりん。」
「照れないでいいじゃん 太紀さんが先言ったんだよ〜？」
「そ、そうだけど。」
「私幸せ！」
「…ならよかった。」
(つくづく敵わないなあ、)

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