【東海オン工ア】東海浪漫【短編集】

今日は少し肌寒いですね：桃 ページ11

彼も私も看護の実習で忙しくて。
最近はあまり会えていなかった。

やっとお互いに実習終了したもんだから、今日は久々に飲み会。

お酒が大好きな彼は、
『いっぱい飲むぞ〜！』
なんて拳を上に突き出すもんだから心配になる。
彼は酒癖が非常に悪いのだ。

「ちょ、飲みすぎんでよ？」

『あ、心配しなくても夜は平気だよ？』
『俺飲んでも勃つから』

「帰るよ？」

『すいません』

＊

美味しいご飯やお酒を食べて飲んで。
久々に骨を休めた気がする。

支払いを済ませ、
店の外に出ると冷たい風が頬を撫でた。

「うー、やっぱちょっと肌寒いね」
つい数日前まで残暑を感じる初秋だったのに、早くもコートが必要な冬が近づいていることを知る。ニットワンピ1枚では防寒対策が不十分みたいだ。

すると、不意に暖かくなる右手。

『こうしたらあったかい？』

どう？と私の顔を覗き込んでくる彼が可愛くて、何も言えなくなる。あー、だめだ幸せすぎる。

「ふふ、あったかいよ」

それを聞いて、満足そうにへにゃと笑う彼。
その笑顔から彼がべろんべろんに酔っているであろうことを悟る。あーあ、さっき忠告したのに。

「…ゆめくん酔ってるでしょ」

口先では怒りながらも、寒い冬くらいこんなのも悪くないかな、と思ってしまう甘い私です。




今日は少し肌寒いですね。
＿手を繋いでください。

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