第122話 まるで家族のよう ページ29
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ハッとして、佑亮くんの方を見上げれば泣いている。
「ぼ、僕…いつも、Aくんに迷惑かけてばかりだ…。海さんみたいに…カッコ良く助けることもできない…」
そう言いながら、佑亮くんは少しの間だけ顔を歪めて泣いていた。
「な、泣かないで…。佑亮くんのこと、迷惑だと思ったことないよ…」
佑亮くんの大きな目が、涙で揺れる。長いまつげには、いくつか水滴がついていた。
佑亮くんの頬を静かに伝う涙を親指でぬぐい取ろうと、私は顔に手を伸ばした。
そっと頬に親指を這わせて、涙をぬぐい取る。佑亮くんは、泣きながら私の手の上に自分の手を重ねた。
「あり、ありがとう…」
グスグスと鼻をすすりながら、優しく微笑む佑亮くんの顔。目はまだ潤んでたけど、いつもと変わらない佑亮くんの笑顔を見て、私はホッとした。
「とりあえず、立とっか…」
泣いている佑亮くんに声をかける私。佑亮くんは、目元をブラザーの裾で拭うと静かに立った。
私も立ち上がり、パッパとジャケットについた汚れを落とす。
「僕…Aくんみたいなお兄ちゃんが欲しかったな〜」
潤んだ瞳で可愛く言う佑亮くん。私も、佑亮くんみたいな弟が欲しかった。
「俺も、佑亮くんみたいな弟が欲しかったな」
そうぽつりと呟き返した。
「総理大臣と縁ある息子…だもんね…。なんか、僕の憶測でしかないんだけど…他の子どもたちも、相手に対してどこか緊張してるのかなーって」
ここに来て、自分の設定をすっかり忘れていた。
「あ…うん、そう、だよ。やっぱり、皆こう…ピリピリしてる…」
この後に無理やり話を切り上げ、私は側にあるスクールバッグを手に取る。
「…あ、あのね…。Aくん…。僕じゃ頼りないと思うけど…今度困ったことがあれば–一番に–僕に話してほしいな。
Aくんには、笑っててほしいから…」
そう言いながら、私の目を真剣に見る佑亮くん。
「うん、分かった。これからは、大事な弟にちゃんと話すよ」
そう言った瞬間、佑亮くんの顔が輝いた。
第123話 うしなった者とは→←第121話 後悔、先に立たず
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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ！ご指摘ありがとうございます(；´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります！よろしくお願いします！d(￣ ￣) (2018年12月23日 1時) (
レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます！126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています！ (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます･:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ！よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ！ (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SORA | 作者ホームページ：https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時：2018年5月29日 19時
