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sacrifice〜25 ページ30

ふわり、ひやり。


その一瞬で予測できることの多くは、怖いことばかりだった。

あの人がいなくなる未来。
側に誰もいずに娘が涙を流す未来。
どうも私はマイナス思考ばかりをしてしまう節がある。
しかしそれは十分に実現し得る、現実味の濃いものだ。

最悪の事態を考えれば考えるほど息ができなくなりそうになる。
ゆっくりと酸素を取り込み、頭のうちの言葉を整える。

「…怖いです。私の身体がいつ駄目になるんだろう、あの人が背負った爆弾がいつか弾けてしまうのかもって、そう思ったら。
なんかこんな歳にもなってみっともない話ですよね。キィが見たら失望しちゃうや」
「強く」
「強く、気を持たなくちゃ」

畳み掛けるようにして私は言った。
事実、いろんなものが立て続けに起こって私に降りかかっている。それに耐えられなくなりそうになるのも、無理はないのかもしれない。
でも、耐えるしかない。

「ダメージを受けても身体が持つかもしれないし、あの人がチョーカーを外しているかもしれない。たとえつけたままだとしても、頑として私たちが発動を阻止する」

プラスに働く言葉を言うことで気を紛らわそうとしているんだろうか、とか疑心暗鬼になってしかたなかった。

「阻止する。どんな手を使ってでも」

「その意気よ。A」

でも。
そう。こうでいい。

いい未来を夢見たって、別にいいじゃないか。
希望は、捨てない限りそこで輝く。
彼が教えてくれたこと。
それは時折、私の思考の方向性を変えてくれた。

 
「親になれば自然と強くなるのかと思ってた。でもそれって大違い、ってことですね。強くならないと」

そう言って立ち上がり伸びをすれば、姉さんは笑った。

「壊れそうだと思ったら、いつでも話してちょうだい。それだけで大分楽になるから」
「…ありがとう」

とりあえず残される人にあらかじめ話をつけておこう、と心に決めた。
それが三日坊主にならなければ良いのだけど。

よいしょ、と重たい腰を上げる。

頭の中では娘にどう話すか、考えを巡らせていた。
やはり、簡単に上手い文章なんて考えられなくて。このまま娘と顔を合わせたらどんな醜態を晒してしまうだろうと考えた。

そして少しの笑みが溢れる。

あれ、私まだ笑えるんだ。

あの人と会って最後、辛いことが多すぎて笑った記憶なんてしばらくなかったなあ。

「たぶん私の身体、まだ持ちますよ。根拠はないですけどね。頑張ります」

言い終わってすぐ、部屋のドアが閉まった。

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茉莉 - めっちゃ最高です!更新楽しみです!頑張ってください((๑•̀ㅂ•́)وガンハバレ~!!! (7月30日 19時) (レス) id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 続きがテニスの王子様めっちゃ気になります! (6月22日 19時) (レス) id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 読みました! (6月22日 19時) (レス) @page36 id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
かずほ(プロフ) - 初めまして!昨日、シンエヴァ見に行って再び エヴァ 火付いてしまいましたw カヲルくんのとこ泣きました! こちらの夢小説シリーズ読ませて頂きました!更新楽しみにしてます! (2021年3月19日 19時) (レス) id: 4ea2670edc (このIDを非表示/違反報告)
RUKA(プロフ) - 長々とコメントを書いてしまい、ごめんなさい。続きがとても気になります。更新頑張ってください。 (2021年1月30日 9時) (レス) id: 4977de0b73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅坂紅子 | 作成日時:2016年2月14日 1時

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