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それに気付いたのは
目が合う君が驚いた顔をしたから。
頬を伝う雫が自分の涙だと気付いた時には
近くで俺の事を見ていた他のファンの人も何事かと驚いて声を上げていた。
あかん。
ライブ中や。
集中せな。
頭では注意報が鳴り響いとる。
そろそろ、警報や。
それでも、いくら拭っても
君から目を離せなかった。
15年やで？
分かっとる？
15年前から探していた花をようやく見つけ出せたんやで？
でも、そんな事君に言ったら
君は何してんのって怒るんやろうな。
そういう人やもん。
今やってほら、
早く動いてって指で前を指してる。
Aちゃん。
会えてよかった。
また後でちゃんと話そうな。
伝える事なんて出来ひんけど、そう心の中で唱え
息をひとつ付き前を向いて走り出した。
世界が、輝いて見える。
そしてその後も何事も無かったかのようにライブを進めた。
それは、俺がそう思っとっただけかもしれへん。
実際の俺はいつも以上にテンションが高く
いつも以上に笑っていた。
MCの時間。
高揚している気持ちを落ち着かせるため後ろの方で水を一気飲みしていると
マイクを通さず流星が真横から話しかけてきた。
俺は両耳にしっかりイヤモニをしていたため少しずらしもう一度顔を向けた。
「ん、なに？」
「良かったな。」
「は？何が。」
「ええ事あったって、顔に書いてあんで。」
「…アホか。」
「顔緩みすぎやねん。笑 ファンの子に勘違いされへんようにしろよ。」
「…いつも通りやわ。」
「嘘つけ、…集中しろよ。」
「…分かったって。」
最初はニヤニヤしていた流星やったけど
最後の一言だけは妙に重かった。
ライブ中にダメ出ししてくるとは思わんかったけど
確かにあれは正論や。
"彼女を見つけてライブ中にテンション上がってた"
なんてネットに書かれれば変に騒ぎになる。
流星はそれを見越して注意してくれたんやな。
俺も流星も、十分な大人。
イラッともせんし、何を伝えようとしとるのかも直ぐに分かった。
流星ってすごいよな。
ずっと周りを見とる。
傍観者って言われとったけど
傍観よりも、客観の方が合ってる気がするわ。
流星の注意を心に留め再び客席の方を向いた時
集中しようと決めたはずの心が
また揺らぎ始めてしまった。
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#TODAY(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！春風のように優しくて暖かいお話になるように頑張ったのでそう言って貰えてとても嬉しいです！！ (2022年1月11日 12時) (
レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 素敵なお話で心があったまりました♡違うお話も読ませていただきます(*^^*) (2022年1月11日 0時) (レス) @page46 id: 57a21b061a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#TODAY | 作成日時：2021年7月30日 23時
