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私が内通者で死柄木弔の恋人だった話 ページ21

私は弔の手を掴んで、その手を自分の頬に当てた。





触れている場所から、自分が崩壊していくのがわかった。





__何している、離せ!__





弔は私から離れようと必死だった。





だけど私は彼の手を離さなかった。









__愛してるんだ、なあ、A__









霞んだ視界で、弔の心を読む。





嘘偽りのない言葉だということを知り、私は安心した。









__とむら……









ありがとう。





そう言いたかったが、言えなかった。









私はヴィランである苦しみからも、ヒーローになりたいという苦しみからも逃げるように、塵となった。

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作者名：さくら | 作成日時：2020年5月25日 17時

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