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「さて、と」

 (もえ)さんはすぅっと目を細める。こちらを値踏みしているような顔で、なんだか落ち着かない。顔立ちが美しいのもあって、威圧感がすごかった。

開耶(さくや)さん、かしら。貴女、どこまで知っていらして?」

「あ、えーっと……蜈輪椄姫(ぐわつひめ)からの神託で、甘葛(あまづら)の元へ迎えとだけ言われました。阿月(あづき)様は尊くなるためとか……」

「つまり何も知らない、という事ね?」

「は、はい」

 私の返事を聞くと、(もえ)さんはため息交じりに言った。やれやれ、と軽く頭を押さえながら。

「ではわたくしが説明して差し上げますわ。ここは尊い方々を饗すための施設。わたくし達は彼の方々のために尽くし、そして尊くなるんですの」

「尊くなるって何ですか?」

「そのままの意味でしてよ」

 貴女本当に何も知らないのね、と(もえ)さんは言った。呆れと、それから侮蔑の混じった顔だった。緊張していたけど、だんだん嫌になってきた。言われていないんだから、分からないのは仕方ないんじゃないのかしら。そりゃ、聞かなかった私も悪いかもしれないけれど。

 (もえ)さんは座布団に座って、巻物を広げる。ちょうど読み物の最中だったらしい。

 尊くなるっていうのは、多分……尊い方々に奉仕して、技術をつける事の揶揄だと思う。違うとしても、これに近しい意味だろう。

「まあ、そこの巻物にいろいろ書いてあるから読んでくださいませ」

 (もえ)さんの指差す先には棚がある。棚には巻物がたくさん置かれている。

「ここに置いているものは全て阿月(あづき)様の持ち物ですので、丁寧に使ってくださいませ」

「は、はい」

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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