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私が阿月(あづき)様の元へ行く時間はすぐに来た。ここ数日のうちにすっかりたまうさは私に懐いて、建物を出ようとする私の後を追いかけようとしていた。

「たま〜?!」

「たま!たまー!」

 目には涙が浮かんでいる。どうして置いていくの?連れて行ってくれないの?と、そう問いかけているみたいだった。

 たまうさ達には申し訳ないけれど、行かないといけない。阿月(あづき)様のところへ行ってその後どうなるかは分からないけれど、それが蜈輪椄姫(ぐわつひめ)からの命令だっていうから仕方ないのだ。

「いえーい、久しぶりねぇ華羅鈴(けらすす)

 建物の玄関前でたまうさに手を振ってるとそんな声がした。迎えの人が来たんだろうか?

 振り向くと、そこにいたのは……見知らぬ人。ニヤニヤ笑いをしている。服装からして、この人もどうやら神官らしい。その人は私の隣にいたけらお姉ちゃんに親しげに声をかけていた。

開耶(さくや)、挨拶をなさい」

「え?あ……は、はじめまして。名は道明寺(どうみょうじ)(あざな)開耶(さくや)と申します」

 ほうけてたらけらお姉ちゃんに注意されて、慌てて名乗る。その神官らしき人はふぅんと気の抜けた相槌をした。

「その歳で随分と礼儀正しいのね。んま、そう気負う必要はないわよぉ……はじめましてぇ、あたしは甘葛(あまづら)(あざな)阿月(あづき)。ちょおっとご用事があってねぇ、あなたが必要だったのよぉ」

 その神官はそう名乗る。……阿月(あづき)阿月(あづき)って確か、神官の長の(あざな)だったはず。

 私は困惑する。迎えに来るって、まさか阿月(あづき)様本人が?てっきり誰か、下っ端みたいな人が来るものだと思ってたから、少し驚いた。

「それじゃ華羅鈴(けらすす)、ちゃんと用意しといてよねぇ?」

「承知しました、阿月(あづき)様」

 けらお姉ちゃんが深々と頭を下げる。神官のけらお姉ちゃんが頭を下げる相手なんて、蜈輪椄姫(ぐわつひめ)か神官の長しかいないはず。という事はやっぱり、目の前のこの人が神官長阿月(あづき)その人らしかった。

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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