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「……来ましたね」

 その建物はあまり大きいものではない。けれどよく磨かれた美しい石で造られていて、壁や柱にはキラキラと煌めく宝飾もされている。だから、高貴な人のための住居だという事がすぐに分かるようになっていた。

 けらお姉ちゃんは座布団の上に座っていた。膝にはけらお姉ちゃんの飼っているたまうさが乗っかっている。たまうさはこちらを認識するとぴょんぴょん飛んできた。この子はとても人懐っこいのだ。

「たま〜!」

「こんにちは、たまうさ。……けらお姉ちゃん、どうしたの?」

 じゃれついてくるたまうさを抱っこして、もう一つ用意されていた座布団に座る。たまうさは楽しそうに鳴いていたけど、私はとてもそんな気分にはなれない。このたまうさはけらお姉ちゃんに慣れているのかな。たまうさを撫でながらそう思う。

 けらお姉ちゃんはじっと私を見る。けらお姉ちゃんの鋭い目。怖いけれど、目が離せない。むしろ怖いから離せないのだろうか?

蜈輪椄姫(ぐわつひめ)から神託がありました。開耶(さくや)、あなたはこれからしばらく阿月(あづき)の元へお行きなさい」

 けらお姉ちゃんはそう言葉を紡ぐ。

 けらお姉ちゃんの仕事は……神様の言葉を聞いて、神様のために行動をする、神官。神託っていうのは、確か、神様からの命令だったはず。

 阿月(あづき)は……神官の中で一番偉い人の(あざな)だったと思う。正直よく覚えていないのだ。だって、たまうさのお世話の勉強でいっぱいいっぱいだったし。

「明後日まで私の家に泊まりなさい。迎えは明々後日に来るから」

「そ、そんなすぐに?それに、どうして私だったの?」

蜈輪椄姫(ぐわつひめ)道明寺(どうみょうじ)の者を連れてきてほしいと仰りました。命依理(ちえり)は外せない用がございますし、あなたの他に適役がいなかったのですよ」

 けらお姉ちゃんはそれだけ言って、黙った。もう話す事はないと言いたげだった。私は戸惑ったけど、たまうさが遊んでほしそうにしていたから、その部屋を出てたまうさと一緒に家を見て回る事にした。

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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