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走り抜いてから、壁を背にして膝を抱えて座り込んだ。がむしゃらに走ったから、ここがどこだか一瞬分からなかった。けれど、全身を包むあの感覚に気付いて、理解する。ここは、尊い方々のいる場所だ。

「……て……を……」

 近くから声がする。咄嗟に、廊下に飾られていた彫刻の影に隠れた。この声は……阿月(あづき)様の声だ。阿月(あづき)様だけじゃない。もう一人、声がする。こっちは華羅鈴(けらすす)お姉ちゃんの声だった。

華羅鈴(けらすす)、分かってるでしょう?」

「納得いきません。どうして私の妹が……」

「言ったでしょう?あなたに素質がないからって、あの子を留めるのはよしなさいったらぁ」

「やめてください。お願いします、もう私で終わらせてください……」

 何だろう、何かを言い争っている様子だ。私は嫌な気持ちになる。私はあまり争い事が好きなわけじゃないのだ。ここにいたら見つかるかもしれないし、早く離れよう。

 けれど……私は二人の声がする方とは反対の方向を見る。

 何だか、あの感覚が強くなってきた気がする。それはつまり、尊い方々が近くにいるという事。

 尊い方々が二人のいる方にいれば良いんだけど、もしこの方向にいたら、もしかすると鉢合わせになるかもしれない。もしかすると、世斃悪(ぜべいあ)様が追いかけてきたのかもしれない。私はあの人に会いたくなかった。しかしだからといって、阿月(あづき)様にここにいる事がバレるのも嫌だった。

 私は少しだけ悩んで……立ち上がる。ここを離れよう。二人の声がだんだん近付いてきていたのだ。冷静に考える時間はなかった。

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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