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「お前は下等な物よ」

 世斃悪(ぜべいあ)様は私の首を掴んで、持ち上げる。そしてそのまま私の耳元で囁いた。

「生きてすらいない出来損ない……食事、代謝すらないらしいじゃない。お茶請け以上の価値は、お前達にないのよ」

 私は何も言えない。世斃悪(ぜべいあ)様はそれに構う事もなく、続ける。

「お前は見かけの良いだけのただのお菓子。甘い、あまぁいお菓子よ。私に食べられる事を尊くなるとかぬかしているけれど、お前達はそれくらい価値がないって事なのよ。心のある振りをした、生き物もどき」

「……や、やめてください」

 勇気を振り絞って言う。私の全てを否定された気がして、何も言わないわけにはいかなかった。世斃悪(ぜべいあ)様の言っている事の全てを理解できたというわけではないけれど、世斃悪(ぜべいあ)様のその言葉は私の尊厳を踏み躙るものだとは直感できた。

 世斃悪(ぜべいあ)様は……笑っている。私の言葉なんて、世斃悪(ぜべいあ)様にとっては本当に無価値なものだからなんだろうか。

「私達は……心があります。悲しいとか、嬉しいとか、思います」

「あはは!それって、あなたがそうありたいっていう欲望じゃないの。お菓子風情が心のある生き物の振りをしているなんて、お笑いよね?」

 世斃悪(ぜべいあ)様は嘲笑っている。嗤っている。私は何か言いたかったけれど、どう言えば良いのか分からなくて、涙をこぼした。

 世斃悪(ぜべいあ)様はこぼれた涙を、首を掴んでいないもう片方の手でぬぐった。そしてぬぐった涙を舐め取る。

「ねえ、そんなに心ある生き物と言われたいの?」

「……はい」

 私は答えた。

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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