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-全ては安寧のために ページ21

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「A様も抜いてみてください!」



興奮したように錆兎は刀を抜いてくれとせがむ
何と可愛い弟子なのでしょうか、と少し子供らしい一面を偶に顔を出して見せてくれる錆兎に尊さを覚えながらも抜刀してみた



するとみるみるうちに…刀に紅い斬撃が入ったかのような模様が切り刻まれていく


黒字に赤い斬撃

まるで地獄を表したかのような刀だった



「…お二人共。私に刀を頼んでくれてありがとうございました。真逆あの世に来てまでも刀の色が変わる瞬間を見ることができるとは思ってもいませんでした」



刀鍛冶は涙ぐみながらありがとうと何度も御礼を言う

志半ばで死んでしまったこの区域にいるもの達のためにも私たちは気合を入れて視察を行わなければならない


それを思ったのは私だけでなく錆兎もであり、その証拠に刀を握る手に力が入っていた




『…此方こそありがとうございます。この刀でばっさばっさ鬼を斬り殺してきます。戻り次第挨拶にまた来ますね…さあ、錆兎。行きますよ』



「…ッ…俺も、鬼殺隊になれなかったけど貴方の打ってくれたこの刀で必ず鬼を斬るッ!…刀ありがとうございます!また、A様と来ます」



そう言って錆兎は頭を下げてから私の元へやってくる
その表情はとても引き締まっていて、亡者としてこの地獄に来た時とは見違えるようだ



さあ、現世がどのような様になっているのか私たち二人で全身全霊をかけて視察をしようではないか



今後の地獄の為にも、


今後の現世の為にも、


私たち獄卒が経験して無駄なことは何もない





地獄へ戻り、現世視察前の最後の晩餐
まあ現世でもちゃんとご飯は食べますけれども



そんな中私はある事を伝えるべく口を開いた





『…錆兎、貴方は死ぬべき人間ではなかった』



「…ッ?…A様、いきなりどうした、んですか?」



突然そんなこと言われ一瞬顔を歪める
それはそうだろう。

死にたくなかったに決まってるのに改めてそんなこと言われればお前に何がわかる、と私なら噛み付くと思う



しかし、伝えなければならない
そしてもう少し甘えてはくれないだろうか



お前は、まだ十五にも満たぬ子供なのだから
この私が親を早々に殺され、鬼を殺すために幼い頃から鍛錬をしていた錆兎の心のの拠り所になればいいと思っている


この私を家族のように思ってくれればいい

-すいもあまえも→←-色の変わる刀を今手に



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Laf;(プロフ) - 何というかもう…この作品に出会えてよかったです😭神作をありがとうございます… (2月18日 23時) (レス) id: 46457ca4f3 (このIDを非表示/違反報告)
れい - え、好き。ありがとう…(遺言) (5月6日 8時) (レス) id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、鬼灯が錆兎に密かに嫉妬してたりとかだと面白いかも…♪ (2023年4月22日 17時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、いつか転生が決まるのかな…その時錆兎はどうするのか…夢主とともに転生してキメツ学園につながるパターンとか?離れなさそうだし(笑) (2023年3月21日 15時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - 面白かったです♪続き待ってます!柱たちとの絡み見たいな…。 (2023年3月20日 9時) (レス) @page27 id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うる。 | 作成日時:2019年9月11日 14時

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