【npl】鉢合わせ【8】 (ページ13)

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私「わ、わ、私もマルゲリータ食べたいなあ･･･。」

何とか大人なビターな雰囲気を変えようと、明るい声色で独り言をぽつり。

突然積極的になるものだから流石の私も動揺してしまう。

八野先輩──はっちはスムーズに駐車すれば、着いたよとシートベルトと鍵を外す。

私も後ろに付いていき、初のイタリアン料理店に入店。

新しく出来たばかりなのか、木の匂いが仄かに香り、街の風景が描かれた絵画が飾られている。

既に人も多く、家族連れの人は案内されるまで待っていたが、私達は二人だった為直ぐに席に着くことが出来た。

目に優しい暖かな雰囲気のある店内は落ち着くし好きだ。

…明るくて活発な人、と言われるが意外と繊細で乙女なのよ。嘘だけど。

私「私このラザニアで」

ラザニア、ざっっくりいうとパスタの一種･･･だった･･･気がする。気になった人は調べよう！ウンウン。

意外に私達の頼んだ二品は早く机上に並べられ、自分の予定よりも直ぐにフォークを持つことになった。

私「おいひぃ… 」

はっち「本当に幸せそうに食べるなぁ。ねッ、マルゲリータも食べていいよ。」

ご丁寧に切り分けて貰い、私は皿で受け取ろうと食器を持つも、先輩は首を傾げる。

はっち「皿とか使うの面倒じゃない？はい口開けて。」

私「 …へ？！」

え、女慣れし過ぎとか？店内でノリノリねぇ！？

とかツッコミしたかったが、気のある先輩にそんな事は嘘でも言えず。寧ろほんの少し嬉しかったので、素直に口を開く。

一口齧り、伸びるモッツァレラにクスリと笑いながらゆっくりと味わう。

私「これも美味しい！」

はっち「良かった良かった。連れてきて正解だった。」

私の食べかけのピザを口に含めば、満足そうにご馳走様なんて悪戯っぽく微笑ませて。