【wrwrd】転校生は知らない【学パロ】 (ページ28)

今日:23 hit、昨日:4 hit、合計:587,891 hit

27 ページ28

Aside

順位発表以降、しばらくは目立った感じになってはいたが友達を作った訳でもなく特に何かある訳でもない日が続いた

ゾムは相変わらず、たまにご飯を一緒に食べたりするぐらいで大きな変化はなかった

もう4月下旬、日差しが暖かいそんな日
帰りのHRも終わって図書館へ向かっていた

エーミールさんに名義を貸してもらってもう2週間は経っただろうか
いい加減返しに行かないといけないと思い、お礼も用意した

図書館に入ると以前と同じく紙のいい香りがする

カウンターには初めて会った時と同じように彼が本を読みながら座っていた

『こんにちは、エーミールさん。』
em「あ、Aさん、こんにちは。お久しぶりですね。」
『お久しぶりです。借りていた本を返却しに来ました。遅くなってしまってすみません。』
em「全然大丈夫ですよ？」

私が本を置くと手際よく手続きをする

『あの…これ名義を貸していただいたお礼です。気持ちだけで結構ですっていうのは分かってたんですけど何もしないのもどうかと思ってしまって…。』
em「…これはフィルムしおりですね。綺麗な写真です。どこの写真ですか？」
『この地域の写真ですよ。散歩していたら綺麗な場所や空を見つけたので撮ったんです。』
em「写真撮るの好きなんですね。素敵です。」
『ありがとうございます。でも要らなければ捨てておいてもらっても大丈夫なので。』
em「捨てるなんてそんなことしませんよ！大切に使わせて貰います。」

彼は読んでいた本にしおりをはさんだ