月が綺麗な夜に貴方と

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『見つけた』


携帯越しじゃない先輩の声が聞こえる



後ろを振り向くと、、、やっぱり



「ウォヌ先輩！！」




少し向こうに、手をひらひらさせているウォヌ先輩の姿があった



ジーンズにＴシャツ…ラフなのにカッコいい…これがイケメンパワーか




人混みをかき分けて、先輩の方へ進んで行く



あとちょっと…と思ったところで



「わっっ…」




誰かに押されてしまい、前によろけてしまった




まずい、




このままだと人にぶつかっちゃう…！



と思った時には既に遅くて






先輩の体にもたれかかってしまった





『っ…あぶな』





ウォヌ先輩がとっさに腕を出したから




抱き締められているのに近い形になっていて




お互いの身体がピタっとくっつく




こ、これは





ち、近すぎる…！！！！


お互いに離れようとしたのだが、





人混みの圧で更にくっついてしまって、二人の間に最早隙間などなかった




『ごめん、人多くて離れられないわ
…少し我慢できるか？』



ウォヌ先輩にいきなり耳元で話しかけられてビクッとする




「わ、わかりました…」



しばらくその状態は続いたのだが



耳にかかる先輩の吐息も、




背中にかかってる腕も…



密着度が高すぎて



意識せずとも心拍数が上がって行く…




絶対先輩に心臓の音聞こえてるよ…



体温が一気に上がって、



きっと今は耳まで真っ赤なんだろう





ずっと、このままでいたい気もするけど





恥ずかしすぎて、それどころじゃない…！！




嬉しさ、恥ずかしさの感情をグルグルさせてると、




流れが収まったのか




パッとウォヌ先輩が私から離れた



『こんなに、人多いとは思わなかったわ』




涼しげな表情で人混みを見渡すウォヌ先輩…



ドキドキしたのは私だけなの？？



ムッとした顔で先輩のことを見てると



『顔…赤いけど、大丈夫か？』



ずいっと顔を覗き込まれる



「へっ！？だ、大丈夫です！！」




『じゃ、先俺の店いってもいい？』



「はい！！」



ウォヌ先輩が歩き出したので




普通後ろをついていこうとすると



急に先輩が私の方を振り返った




『お前危なっかしいから、はぐれないように俺Ｔシャツでもつかんどけ』




そうやってイタズラな笑顔をみせる先輩




これを天然でやってるなら、天性のたらしだ…






こんな調子だったら、心臓がいくつあっても足りないよ…！！泣

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