完璧ダーリンさん。【 センラ 】

あまい朝 ページ5

・


｢Aさーん、起きてくださーい｣

ほっぺをムニムニといじられる感覚に目を覚ますと、目の前に美しい顔が。近い、近すぎます。

｢朝から顔赤いでお嬢さん｣

｢お、おはようございます。腕枕ありがとうございます｣

そういえば昨日、腕枕を久々にしたいと言い出して、やってもらったんだった。
顔は近いし寝顔は見られ放題だし恥ずかしかったけど、嫌いではなかった。

｢なあなあ、俺との腕枕そんなに恥ずかしかったんー？ かわええなぁ｣

むくりと起き上がった私に着いてくるようにセンラさんも起き上がり、そのままぎゅうぎゅう抱きしめられる。朝から刺激が強いです……。

｢うるさい……｣

｢はぁー？ ご飯作っとくから準備してこい！｣


生意気言いやがって！ と言いながらも優しい。受付の私は鍵を持っている課長と同じくらいの時間に出勤しなければならない。言えば1番早い人と同じ時間に出勤だ。


7時半に家を出る私と、8時半に家を出るセンラさん。センラさんの事情で早く出勤しなければならない時は、車で送ってくれたりする。


『社内恋愛禁止』といったくそ鬼畜畜生なルールは別に無く、仕事に支障も無いので、私達の交際は隠すわけでもなく社内にかなり知れ渡っていた。


幸せなことに沢山の人が祝福してくれる。フフフと笑いながら私服である春色のブラウスに腕を通した。3月下旬は暖かくていい。

そのまま洗面所へと向かいスキンケアと化粧を済ます。アイロンで髪を巻いている途中で｢Aできたよー｣と遠くで彼の声が聞こえてきた。返事をして、残りちょっとの髪を巻き終えてからリビングへ向かった。


｢もう支度終わったんやね。すっぴんもめっちゃ可愛いけどおめかししたらパーツが際立ってめちゃめちゃかわええな｣

甘々100パーセントのセンラさんは今日も褒めてくれる。


｢んー、でもこのAは皆が見てるけど、すっぴんで寝起きのかわいいAはセンラしか見られへんよなぁ、この独占感たまらん｣


ご飯の前にお前を頂こうやないか と狂気じみたことを言い出したかと思えば有言実行、私の顎を掬ってそのまま舌をねじ込んだ。



・

心臓を害された→←オムレツ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す