完璧ダーリンさん。【 センラ 】

かわいい後輩 ページ15

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｢保険証預かりますね。…………ありがとうございます。お返しします｣

｢ありがとうございます！｣

｢はーい。今日からよろしくね｣

｢はいっ！Aさん！ 橋本さん！｣

名札を見て私たちの名前を呼ぶところ、それに一言も喋っていなかった楓さんにもしっかりと挨拶できるところ、この子は礼儀正しいなと思った。

｢星野さん、できた後輩だね。カワイイし｣

楓さんが感心したようにそう言った。
一礼してから、軽い足取りで奥へと進んで行った星野さんを目で追う。目で、追う…………。


｢…………えっ待って待って｣

彼女間違いなく営業課の方へ歩いていった。間違いない。この目で見た。
確認するように、先程パソコンに登録した星野さんのプロフィールへと飛ぶ。そこには『営業課』の文字。私、フラグ回収しちゃいました。

｢どーしたのA｣

｢すごく嫌なこと言うんですけど……彼女、営業課なんだなって｣

｢ナルホド。折原さんが心配なんだね｣

｢うっ……。センラさん本人は気にしないって言っていて、勿論その言葉を信じていたんですけど……。星野さんがあまりにも可愛いので｣

星野さんにもセンラさんにも失礼な話だ。でも、不安になるくらい許して欲しい。
｢重いよなぁ……｣と思わず呟き肩を落とす。重いは嫌われるってよく言うから重いって思われそうなことはできるだけ避けていたが、好きすぎる故にこうなってしまう。

｢私は全然重くないと思うけどね。かわいいもんだよ大丈夫｣

｢それに折原さんならAが多少独占欲強くても嫌わないと思うけどなぁ〜｣と楓さんは付け足すようにそう言った。客観的に私たちを見ている彼女がそう言うならばそうかもしれないが、センラさんに言うのは気が引ける。


｢我慢できなくなったらがんばって伝えてみます……｣

｢我慢しすぎはよくないからね？｣

その会話が終わるとまた新入社員さんが入ってきて、仕事を再開した。



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