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挨拶も無事終わり、会場の説明や場所の案内等を済ませた後、また車に乗る。
「センラくん、私運転しようか?」
「Aちゃんは助手席でセンラを見守ってて!運転なんか俺に任せとき!」
ああ、やっぱり彼は優しい。
それは何年経っても変わらない。お互い入社したてのときだって、センラくんは優しかった。ずっとずっと優しい。
「いやでも、行き道運転してくれたでしょ? 疲れるだろうし、やっぱり私が運転するよ」
そう言いながら、彼が持っている営業者の鍵を貰おうと手を伸ばした。
すると、その手を優しく、ギュッと包み込まれる。
ドキッって音が聞こえたような気がして、一瞬で鼓動が早くなる。
驚きのあまり固まった私の手を、握ったまま私の胸のところまで持っていき、そこで手を離した。
「ふふ、鍵は渡さへん。全然疲れてないし、男として女の子に運転させて助手席に座るのは、許せませんわ」
柔らかく微笑んだセンラくんは、そのまま車に乗り込んだ。
火照った頬をどうしようか迷ったが、彼を待たせる訳にはいかないので、そのままにして助手席のドアを開けた。
(ずるい、ほんとにずるい……)
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2021年8月3日 12時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
らfkー - 泣きましたぁ神作ありがとうございました!!!!! (2019年12月12日 14時) (レス) id: f4912de284 (このIDを非表示/違反報告)
_clt(プロフ) - これはもっと伸びるべき……!!!最&高でした!めっちゃきゅんきゅんしましたありがとうございます! (2019年11月18日 22時) (レス) id: d16c5ecaad (このIDを非表示/違反報告)
りんこん(プロフ) - とっても好きです!素敵です!自然できゅんとしましたw (2019年11月9日 17時) (レス) id: e1283a6a6e (このIDを非表示/違反報告)
Reyna - うわぁぁ。すごくいい作品で感動しました! (2019年11月9日 17時) (レス) id: ba70aa4ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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