* ページ11
・
「俺って、りんごのイメージあった?」
初めて言われたわー そう言いながらまじまじの林檎の瓶を眺める。
「うん、りんごみたい」
センラくんは、林檎みたいだ。
外見は、普通の男性だ。いや、とてもかっこいい男の人。初対面の人は彼のことを「あ、かっこいい」くらいにしか思わないだろう。
それか、黙って通り過ぎていくかのどちらかだ。
しかし、もっともっと深くまで関わってみれば、違ってくる。
普通を装ったセンラくんは、中身はとっても甘い。それはまるで、1口かじった林檎みたい。
林檎は赤い部分をかじると、甘い蜜がたっぷり垂れる。
その蜜に魅力されて、おいしくて、「もっと欲しい」そういう思考に至ってしまうのだ。
そういうところが、すごく似ていると思う。
彼には甘い蜜が溢れいて、もっともっと欲しくなる。
「もしかして俺顔丸なった!? 嘘やろ……」
手で輪郭を覆った彼に、くすりと笑みがこぼれる。どうか、この私の気持ちに気づかないでね。
「俺のプレゼントも、待っててな」
私があげたくてあげたのに。律儀な人だ。
その後もタクシーは走っていて。センラくんとの楽しい言葉のキャッチボールを堪能してから、家へと帰った。
家の中へ入ってから、酷く物が少ないこの空間に胸が苦しくなった。
・
295人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2021年8月3日 12時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
らfkー - 泣きましたぁ神作ありがとうございました!!!!! (2019年12月12日 14時) (レス) id: f4912de284 (このIDを非表示/違反報告)
_clt(プロフ) - これはもっと伸びるべき……!!!最&高でした!めっちゃきゅんきゅんしましたありがとうございます! (2019年11月18日 22時) (レス) id: d16c5ecaad (このIDを非表示/違反報告)
りんこん(プロフ) - とっても好きです!素敵です!自然できゅんとしましたw (2019年11月9日 17時) (レス) id: e1283a6a6e (このIDを非表示/違反報告)
Reyna - うわぁぁ。すごくいい作品で感動しました! (2019年11月9日 17時) (レス) id: ba70aa4ed1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ