嘘つきプリンス 《片寄涼太》

Prince 32 ページ32

side A









「おい、聞いてんの？」

「は、はいいい…」

「説明するから聞いてろ」

「うん」






そう言って数式だったりを話しながら、

紙に色々書きながら説明してくれる。


正直、数学の先生よりわかりやすい。


…ほんと、この人頭いいんだなあ。


と、思うと同時に、

文字を書く時の伏せ目がちな感じ。



長いまつ毛が揺れてるの。

女子。完璧女子。

私よりまつ毛あるよ…育毛しないと…







「ん。とりあえずここの説明は終わり。あとは…こことここな。わかる？」

「そこは得意分野です！多分！」

「…なら解いてみろ」






数分後



ダメだ、全くわかんねえ…


何が得意分野だよ…私のバカ…





ちらりと涼太くんを見ると、

イライラしてるのが丸わかりの表情。


…申し訳ございません。





そしたら涼太くん、

ため息を1つついて椅子から立ち上がりそのままどこかへ行ってしまった。




…み、見捨てられた。









・








数分後、

それから自力で教科書だの解説書だのを読むも、

さっぱり意味がわからない。


これは数学がわかる人用に書かれてるからだよ…

バカにはわからない。こんなもの…。





ヤケクソになって教科書を閉じ、机に伏せる。




その時、







・

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