36 ページ36
＿
「そこにある高校、本当に共学だよね」
「え?あぁ、一応共学だけど」
「やっぱりそうだよね。なのに女子生徒見たことないんだ」
「工業は結構あるあるだな」
「制服かわいいのに」
煙草を咥えたままスマホを操作して俺に画面を見せてくる。
そこに映されたのは高校の制服。
「これ着たかった」
小さく呟いて画面を消した。
これがきっと彼女の本音なのだろう。
「その辺に売ってる制服紛いのものじゃなくて、ちゃんと高校生として、ちゃんと制服着たかった」
「…」
「車ってすごいよね。あんなに重いのに、時速120キロとか出るの。中身どうなってんの?って。中身も重たいのばっかで意味わかんない」
「…うん」
「ここの人たちに教えてもらって身につけたってなんにもならない。中卒のアルバイトじゃ、欲しい資格が取れない」
「あの高校なら定時制がある」
「定時制?」
「いろんな事情で高校に行けない人たちが仕事終わりとかに勉強するんだよ」
「…私でも入れる?」
「入れるよもちろん。制服は、着れるかわかんないけど」
「…」
「本当に行きたいなら、おっちゃんに話しなよ」
「でも、」
そこまで言って口を噤んだ。
「話してみる」
「うん」
「だから、私がちゃんと話せるように、逃げないように…翔太にとなりにいてほしい」
「…!」
「翔太が都合つく日でいいから、」
「次のバイト休み確認して連絡する」
「ありがとう…」
「だから、連絡先教えて」
「連絡先、」
内心ドキドキしてる。
自然に聞いたつもりだけど心の隅っこにある下心を見透かされてたらどうしようとか、変なこと考えて。
「…はい」
彼女はスマホを操作して、チャットのQRコードを俺に差し出した。
俺も急いでスマホを出してそれを読み取る。
「ん、いけた」
「連絡待ってるね」
「…おう」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1491人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「SnowMan」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - 白昼夢さん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。こちらこそこれからも涼さんの作品を愛してあげてくださいませ( ˶'ᵕ'˶ ) (2023年3月31日 15時) (
レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 初めまして！新作待ってました（ ; ; ）ずっと陰ながら応援させていただいて、、凉さんの作品全部読み漁るほど大好きなんです(´༎ຶོρ༎ຶོ`これからも素晴らしい作品お待ちしてます！頑張ってください！！！ (2023年3月31日 0時) (レス) id: 40e11ba78b (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 茉子さん» 泣かせてしまってごめんなさい(´；ω；｀)いつも私の作品を読んでくださってありがとうございます。私も大好きです！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» ツンデレとツンデレのコラボ(？)です！幸せにするんで一生ついてきてください(もはやプロポーズ) (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
茉子(プロフ) - 泣いたんですが😭子どもへの気持ち分かるだけに…続きも楽しみです。涼さんの作品全部読んでます☆大好きです😊 (2023年3月28日 18時) (レス) @page24 id: 0c861b61c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2023年3月26日 15時
