星屑ドルチェ【2】

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「本当にありがとうございました」


「元気になったならそれでいいよ」




宮舘さんの手厚い看病のおかげで風邪はすっかり治った。


仕事終わりに彼のお店へ出向いてお礼を伝えたら私の顔を見て安心したのか柔らかい笑みを浮かべている。




「週末にケーキ買えなかったので、今日買います」


「いっぱい食べて」


「それは、太ってしまいます」


「大丈夫大丈夫」




あの時は2つ買ってやると意気込んでいたけれどそれは体のためにもよくないと気づいた。


迷いに迷ってどうにかひとつに絞りこみ、お会計を済ませる。


いつものように外までお見送りつき。




「Aちゃん、次の月曜日なんか予定ある?」


「いえ、特には…」


「お菓子作り教室開校しますけど、」


「…!」


「どうしますか?」


「お願いします、先生」


「あはは!先生はなんか恥ずかしいな」


「クッキー、作りたいです」


「うん。約束だもんね。じゃあ一緒に買い出しして作ろうか」


「はい!」


「嬉しそうだね」


「すごく嬉しいです!これを楽しみに日曜日までのお仕事頑張れます」


「俺も、頑張れる」


「手のかかる生徒だと思いますが、呆れないでいろいろ教えてくださいね」


「…俺は厳しいよぉ?」


「…」


「嘘だよ。ちゃんと優しく教えるって」


「車運転する時にハンドル持ったら人が変わるみたいな感じで、宮舘さんは包丁とかの調理器具を持つと人が変わるのかと思ってしまいました」


「それなんか危なくない?」



犯罪チックなんだけどと笑ってくれる。




「上手く作れるといいなぁ、クッキー」


「練習していけば大丈夫だから。失敗しても原因を追求して調整しながらチャレンジして…。そしたらきっと自分の納得できるものがいつかできるよ」


「はい。諦めずに頑張ります」

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