12 ページ12
＿
あの時の出来事が偶然じゃないかもしれないと思い始めたのはそれから1週間後のこと。
「あー…」
期末テスト前日の夜、家で勉強していると集中力が切れてきてテーブルに突っ伏した。
ちょっとエメと遊ぶか。
そう思ってさっきまでカーペットの上で寝ていたエメのところへ行くといなくなっていた。
リビングに戻って机の下を見ても、キッチンにあるおやつボックスのところにも、ベッドの中にもいなかった。
「まさか」
廊下に出ると玄関の前に座っているエメ。
あー、やっぱり。
「外に出たいの?」
にゃーと鳴いて扉をカリカリする。
息抜きでもするか。
スウェットの上にジャンパーを羽織りしっかり上までチャックを閉め、ムートンブーツを履いてブランケットにエメを包んで抱きかかえた。
猫って散歩したい時に1匹で勝手にするもんだよね?
なんて思いつつも寒いし帰ってこなくなったら…という恐怖心から一緒に家を出た。
隣の家ではイルミネーションが飾り付けられていてそういえばもうすぐクリスマスだということを思い出した。
クリスマスは今年もバイトだなぁ。
「はぁ…」
そんなことを考えながらとぼとぼと歩いているとエメが突然、にゃあと鳴いた。
「え、なに?どした?」
真っ直ぐ前を見ているエメの視線の先を辿ると私のバイトしているコンビニ。
「いやまあたしかにここにもおやつ置いてるけど、買わないよ?バイト先とはいえ一緒に中入れないし」
それでもジッとコンビニを見つめるエメ。
エメからコンビニに再度視線を戻すと自動ドアが開いて、出てきたのは阿部先生だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 800人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - shoさん» こちらこそこの作品を見つけてくださってありがとうございます(՞ ܸ. .ܸ՞)"キュンをお届けできてよかったです。 (2023年2月25日 14時) (
レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
sho(プロフ) - すごく引き込まれて一気に読みました。キュンキュンが最後までとまりませんでした。この作品を読めた事に感謝です。 (2023年2月25日 13時) (レス) @page50 id: 342ef15a76 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mireさん» コメントありがとうございます！このセリフを絶対入れたいと思っていて書きながらここだ…！って自然に入れられたのでそう言っていただけて嬉しいです♪ (2021年12月5日 17時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
mire(プロフ) - 最高でした。阿部ちゃんの「ううん、からかってない」がもうMVが走馬灯のように頭に流れてキュンが止まらなかったです。これからも作品楽しみにしてます。 (2021年12月3日 15時) (レス) @page45 id: e802057471 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ﾕｶさん» コメントありがとうございます！書いてる私も胸が苦しかったです(笑)もちろんニヤニヤもしました☆(やめろ)阿部先生に恋したくなったらまたいつでもここに来てください。 (2021年11月3日 6時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年10月20日 7時
