Sweet Sunny! (ページ28)

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「私は幼稚園の時から高校2年生の夏休み終わりまで友達がいませんでした」

さっきまでの雰囲気はどこへやら、シーンとなる会場。

「人と話すのが苦手で、自分に自信がなくて、ひと言も発することなく学校から帰った日もたくさん、あります」

本当は友達という存在がほしかったのに、1人でも平気だと思っていた頃が走馬灯のように蘇る。

「だけど、この2学期が始まって…私は変わることができました。だから友達もできました。私をここに連れてきた強引なあの子も、友達です」

私と正反対の性格で、あんなに苦手だった麗奈と凛。

今はすごく大切で、大好きな友達。

麗奈を見ると嬉しそうにニコニコと笑いながら私に手を振るから私も振り返す。

「私がこうして変われたのはある人の存在です。その人は2学期の始めに関西から転校してきました。明るくて、すぐにクラスに馴染んで、ずっといる私は馴染めないのに…。私はこのままずっと1人なんだと思ってた。だけど」

こんなにたくさんの人がいるのに、今、私の目には康二くんしか映っていない。

「その人は私にも話しかけてくれて、1番に友達になってくれました。すごく、嬉しかった。私にも友達ができたって、嬉しかった」

私と康二くんは友達。

あの時はそう思ってた。

「私にいいことがあれば一緒に喜んでくれて、つらい時は励ましてくれて。その人がこの学校に来てからまだ2ヶ月くらいしか経ってないのに、その人とのことで思い出すことがたくさんあって…気づいたことがあるんです」

深呼吸をひとつ。

覚悟を決める。

「私は、その人の事を好きになってしまったんです。その人の名前は…向井康二くん、です」

ごめんね康二くん。

もう、友達は…いやなんだ。