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あれから数ヶ月、外では蝉が元気に鳴いている。
「あーっつ!!!」
「…しんじゃう」
渡辺家は2台あるエアコンが一気に壊れてしまいました。
こんなに暑くてもお兄ちゃんと2人でくっついて座っているのは私の部屋で1台の扇風機を共有しているから。
エアコンの修理は午前中のうちに来るからと仕事に行くお母さん。
お仕事は大変なんだろうけど、涼しいところにいるのはとても羨ましい。
「作業終わりましたので確認お願いします」
リビングのほうからヒョコっと顔を出した修理業者さんに対応しようと立ち上がるとお兄ちゃんに制される。
「お前はここにいろ」
「え、でもお礼のコーヒーとかお母さんに頼まれて…」
「ちゃんと渡すから。分かったか?部屋から出るなよ」
「うん…?」
よく分からないけど扇風機を独り占めできるからまあいっか。
ちゃんとなおってるといいなぁエアコン。
扇風機に向かってあーと小さく声を発しながらお兄ちゃんが来るのを待った。
「なにやってんの?」
「あ、エアコンどうだった?」
「めちゃくちゃ涼しい」
言葉のキャッチボールが全然できてないのになぜか会話が成立してしまうのは昔から。
「もう業者さん帰ったから、リビング行くぞ」
「そういえばなんで私じゃダメだったの?」
「業者さん、大人の男だぞ」
言ってる意味がよく分からなくて90度くらい首を傾げる。
「そのかっこで出て、なんかされたらどうすんだよ」
お兄ちゃんの言葉に自分を見る。
お兄ちゃんが着なくなった大きめの白Tに見えてはいないけどちゃんとショートパンツを履いている。
「ん?」
「はぁ…。お前なぁ、もう高校3年生だろ?もうすぐ大人になるんだよ。もっと女として危機感持った方がいい」
「女として、危機感…」
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涼-suzu-(プロフ) - 村瀬さん» コメントありがとうございます!残り話数が少なかったので短いAfterStoryになってしまったのですがいかがでしたか…?次の作品もぜひ!楽しみにしていてください!(自分でハードルあげるタイプの人間) (2022年1月5日 21時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
村瀬(プロフ) - まさかこの小説の続きが見れるなんて…!!超感激です!!これからも涼さんの小説楽しみにしています。 (2022年1月5日 21時) (レス) @page50 id: be3cd904b8 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ちゅん助さん» コメントありがとうございます。お兄ちゃんの視点からのお話も面白いかもしれませんね(¯v¯)考えてみます! (2021年11月25日 14時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - なおひとさん» こちらこそありがとうございました! (2021年11月25日 14時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん助(プロフ) - ニヤニヤしながら読んでしまいました!!ハピエン最高です!!💓これ兄sideも読みたいです✨素敵な作品ありがとうございました😊✨ (2021年11月25日 10時) (レス) @page46 id: 25f5a7cb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年11月13日 9時