20 ページ20
＿
「あ、別に涼太先輩を責めてるわけじゃなくて!そこはふっ切れてますから!」
どんな大嘘つきだよ。
ってお兄ちゃんからつっこまれそうな嘘だな。
「そ、そういえば!涼太先輩は彼女さん、連れてこなかったんですね」
「んー、日焼けするのも嫌がるし、人混みも苦手で…あんまりアクティブじゃないんだよね」
寂しそうに足元を見る涼太先輩。
本当は、一緒に来たかったんだろうな。
「お兄ちゃんと一緒だ…」
「うん。だから俺も…正直あの2人が羨ましいんだよ。渚ちゃんのためなら、翔太は動けるから」
「…渚のためなら?え、お兄ちゃんが彼女作らなくなったのって、もしかして渚のこと…」
「だと思うよ」
「…いつ、くっつくんですかね」
「翔太次第かな」
「2人の幸せそうな顔、想像したら私も幸せな気持ちになっちゃいました」
「分かる。俺も」
フードの上からポンッと涼太先輩の手が乗る。
「…あれ?お団子がない」
「お昼前にお兄ちゃんにぐしゃぐしゃにされたしもうびしょ濡れだからほどいちゃいました」
フードを脱いでボサボサでしょー?と笑顔で答えると目を丸くして頬に手が添えられる。
「…りょ、た、せんぱ、い?」
「…顔に砂ついてた」
サラッと頬を撫でて離れていく先輩の手はすごく熱を持っていた。
「ありがとう、ございます」
「いーえ。そろそろ戻ろうか」
折り返して少し前を歩く涼太先輩の背中を私はただ、黙って見つめていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 721人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - 村瀬さん» コメントありがとうございます！残り話数が少なかったので短いAfterStoryになってしまったのですがいかがでしたか…？次の作品もぜひ！楽しみにしていてください！(自分でハードルあげるタイプの人間) (2022年1月5日 21時) (
レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
村瀬(プロフ) - まさかこの小説の続きが見れるなんて…！！超感激です！！これからも涼さんの小説楽しみにしています。 (2022年1月5日 21時) (レス) @page50 id: be3cd904b8 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ちゅん助さん» コメントありがとうございます。お兄ちゃんの視点からのお話も面白いかもしれませんね(¯ｖ¯)考えてみます！ (2021年11月25日 14時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - なおひとさん» こちらこそありがとうございました！ (2021年11月25日 14時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん助(プロフ) - ニヤニヤしながら読んでしまいました！！ハピエン最高です！！💓これ兄sideも読みたいです✨素敵な作品ありがとうございました😊✨ (2021年11月25日 10時) (レス) @page46 id: 25f5a7cb9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年11月13日 9時
