太陽と天道虫とひまわりと...(arxcn)

＝天まで・２１＝ ページ21

「ね。それって、侑李君の事でしょ？」

そう言って涼介先生は空を見上げ

目を細めた。



「ぼく...ぴんく。。」


先生は、クルッと僕の方を向いて

ニッコリ笑いながら

「ね。もしかしたら有岡君は、侑李君がまた
　体調崩しちゃったらとか、いろいろ考えてさ..
　見守ってくれてるんじゃないかな？」


「んー・・」


「何か、やっぱり＿＿有岡君って太陽みたいだね。
　ほら〜、お天道様は、見守ってくれてる〜みたいな
　絵本のお話しみたい。ね？」


「でもっ＿＿」


「でも・・？でも、な〜に、侑李君」


「でも。でもでも、どぅして＿＿声‥。」


「声？」


「大ちゃんは、声掛けてくれないの？
　どぅして隠れて見てる・の？」


「それはさ〜・・きっと。」


「きっと・・？」


「ん〜。‥ふふふ。
　それは本人に聞いてみたら、どうかな？
　ほら、見て見て＿＿遠くから侑李君に手振ってる！」



校庭に視線を向けると＿＿

「あ。・・だぃちゃん。。」



「元気だね〜〜・・有岡君はっ。」




まぶしぃまぶしぃ＿＿

目を細めてしまぅほどの笑顔で

僕に、手を振ってくれている。


遠くから聞こえるの・・大ちゃんの元気な声が


「おお〜〜〜〜ぃ！！
　ゆ〜〜う〜〜り〜〜ちゃぁぁ〜ん♡♡」





元気な声。心地のいい声。

僕の耳に、柔らかく入ってくる

トゲトゲのなぃ、まぁるい声。






＿＿なんだろぅ。。今、僕は泣きぅだ。





僕は、大ちゃんに見守ってもらってる。

うれしくて＿＿でも、寂しくて。

ちかづきたぃ。チカヅキタイノ。




太陽のようなあの人が、優しくしてくれた。

さんさんと降り注ぐ優しい光りで

僕を照らしてくれた。



それだけで、僕は元気になれる。笑顔になれる。

あの太陽に向かって咲く、ひまわりのように。





でも＿＿＿＿＿。


やさしいのに、切なくて

あたたかいのに、悲しくて

うれしいのに、寂しくて。




見ているだけ。ミテイルダケ。



ここで、見ているだけ。

遠い、遠い＿＿＿太陽さんは遠い。





僕は、地面に咲くひまわり・・

恋しい、愛しい太陽さんを見上げるの。

笑顔でわらって＿＿＿見つめる。



僕は、ひまわり。

あなたに元気をもらって、咲いています。

ありがとぅ＿＿＿でも。



でも、見てるだけ。チカヅケナイノ。


「大ちゃ＿＿＿＿・・・」



大ちゃんに向かって、手を振りたかった＿＿

でも。振れなかったの。



「だぃ..ちゃ＿＿＿・・」

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