【呪術廻戦】高専肉食系男子多い説を男子が証明しようと思います

肉食系×肆拾斜 ページ48

「めぐみ、行ってきたの？」

「…あぁ。」


呪術高専、内。

前回の任務で、助けられなかった正という名の男。


その親に頭を下げに行った、浮かない顔をしている伏黒恵を、Aは頭を傾げることで顔を覗き込み、これまた浮かない返答を返された


「超浮かない顔してるねー！まぁ当たり前か！！そんなときはおれがこれをあげよー！321ぽん！」


とんでもないスピードのカウントダウンと共に、握りこぶしをつくって、開く。

何も無かったハズの手の上には、ころり。小さな飴ちゃんがひとつ。


「飴…は、狗巻先輩にあげた方がいい。
のど飴だったら尚更。」


梱包に書かれた蜂蜜のど飴という文字に、1度飴に向けた手を止める伏黒

本当に浮かなすぎるその態度に今更不信感を感じながら、Aは大袈裟に眉をあげた


「そうなの！？だったら〜……321ぽん！」


のど飴をポケットにしまいながら、片方の手で握りこぶしをつくって、それを同じように開く。


ふぁさり。花弁が小さく舞って、ぴょこりと現れたのは、見栄えのいいお花のミニブーケ


「俺を守ってくれてありがとう！！」


中央で華やかに咲く白ダリア

花言葉は、どストレートに「感謝」


伏黒は一瞬目を見開いたが眉を寄せ、顔が暗くなる…というよりは、いつもの呆れ顔に戻った


「そういうのは普通、女にあげるもんだろ」

「めぐみ！ないーぶ警報だよ！！！！」

「なんだよそれ…」


.


胸元に押し付けられる、白い花

ダリアとか言ったか。帰って花言葉でも調べるか、なんてほんの少しの期待を込めた自分が恥ずかしくて、どうも目の前のコイツにだけはバレたくなくて、ブーケで顔を隠した


普通男に花なんて渡すか？
コイツモテるんだから、俺じゃなくていいだろ？
庇ったの、バレてたのかよ…


目の前のコイツへのいろんな感情がごちゃまぜになって、膨らんで膨らんで。


でもなんか、今目の前で俺の顔を執拗に覗き込んでくるコイツを見てたら、今までの後悔とか負の念が死ぬほど薄れてきて、

目の前のコイツに、どうも言いたいことができてしまった


「…ありがとな」

「ふふっ、めぐみが受け取ってくれてよかった！」


……ほんと、なんだコイツは。


「よし！！訓練？特訓？するんだっけ！行こ！」


ほんと……。


白いブーケを持って、悶々としている俺の腕を掴み、足早に歩くAに引かれ…惹かれ、追う。


頬に射した桜色を隠すように掴まれていない方の腕で口元を覆い、少し俯いた

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