歌.い手引退宣言出来ない件(白目)【歌.い手】

＊41話 ページ41

「おーい、わしとしぃ入るよー」




ただいま6番の部屋の前。

くろちゃんがコンコン……と言うよりはドンドンと、ドアを叩いた。





「んー、どうぞー」


中からうらたぬきさんらしき声が聞こえる。



これから浦島坂田船の皆さんと会うんだなって思って、今更ながら少し緊張してきた。




「んじゃ、入るよー」




ガチャっと音を立てて開いたドア。

くろちゃんの背中からひょこっと顔を出す。






あの小柄な人が恐らくうらたぬきさんで、

目元にホクロがある人が多分志麻さん。

で、なんかすごい笑顔で元気そうな人が坂田さんで、


最後がセンラさ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿え？





そこに居たのは、忘れたくても忘れられない顔。

目を見開いて私を見てる彼は＿＿＿＿＿









『……せーくん？』


「…Aっ??」









.

2年前に別れた彼氏が、そこには居ました。

＊42話→←＊40話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す