・夢・ ページ4
___…
『センセイ!新しい殺し方見つけたんです!聞いてください!』
『その前に、今の自分の技術を磨いたらどうだい。君の技術だとこの界隈では生き残れない』
___…
『センセイ、センセイ』
『五月蝿い。今、本を読んでいる。そんな事も分からないのか』
___…
『銃裁きもナイフ裁きも最悪だ。これでよく私の弟子だと名乗れるね』
___…
『次の殺しだ。見張りにバレないようなルートを手配しろ』
___…
いつも無表情なセンセイだった。何か言えば冷たく返されるし、殺しが入った時だけ冷酷に笑う。敵の囮にだって私を使うし、訓練で何度も殺されかけた。何かを褒められた事なんて記憶上ない。いつも貶され、罵声を浴び、平手打ちを喰らった。だけど、そんなセンセイでも尊敬出来たのは…殺しの技術が素晴らしかったから。
冷たくても怖くても…私はあの人について行こうって思った。この人について行けば私だっていつかは世界一の殺し屋になれると信じて。けど…私には無理だった。お父さんが首領になると共に【卒業】という形であの人の元を出た。
逃げ出したんだ。尊敬している。そんなの口だけだ。心のどこかで彼奴と同じ感情を持っていたのかもしれない
_!
?何か聞こえる。遠くから。何かが
_A!
私の名前?誰が?
「A!!!」
目を開けると、そこには怖い顔をした中也が。
「ちゅ、や?」
中也「Aっ!!」
名前を呼ぶと抱きしめられた。
あれ…私はなんでここに居るの。私は彼奴の対峙して、それから彼奴を殺そうとしたのに。
中也「心配かけさせんな!!太宰の糞野郎がお前を見つけなかったらお前っ…」
「太宰…?」
あの時見えたのは太宰だったのか。いや、包帯と砂色のコォトは太宰しかいないか。
中也「太宰がお前を背負って来たんだよ。事情は聞いた。あれを使おうとするなんてお前、死ぬも同然なんだぞ!!!」
「っ…!」
そうだ。私はあの時アレを使おうとした。アレはお父さんからも中也からも…昔から使うなと言われている。太宰が居る頃はストッパーが居るから偶に使っていたけど。太宰が居なくなってからは使う事がなかった。
「ごめん…」
中也「わかりゃあいい。俺、首領に電話してくる」
あの時…太宰が私を助けなかったら…
考えただけでも寒気がする。自分で自分を抑えきれなくなり暴れて死ぬところだったのだから。
「はぁ…私もまだまだだなぁ」
窓から見える三日月。それが今は忌々しい昔の記憶の欠片に見えた
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作者名:Maya☆ | 作成日時:2019年8月26日 21時