・続・ ページ12
___…
しかし、ナイフで横に切ろうとしているのに体は全く動かない。どうして…
太宰「あれ?殺らないの?」
「殺るわよ!」
口では言えるのに、腕が震える。
意味がわからない。なんで、なんで
太宰「ほら、殺れない。何年一緒に居たと思うんだ。君の癖くらいすぐわかる」
「黙れ…!」
震えは、大きくなる一方で。遂にはナイフを地面に落とした。私に殺せない標的はいない。【漆黒の姫】…そして、【死神】の弟子としてのプライドがそんなの許す訳ない。
なのに、腕の力も抜ける。その隙にカルマは抜け出し、太宰の近くに向かう。私は、地面に膝をつく体制になってしまった。体に力を入れようとしても入らない。
太宰「わかっただろ?君は確かに殺しの技術は確かだ。けど、それは君が最初からの獲物だけだ。彼のように長く過ごせば過ごすほど、君の本当の姿が出る」
「違う…違う!!私のこの姿こそが、本当の私よ!!今までここで過ごしてきた私とは違う!」
太宰「だけど、君はさっきカルマ君を殺せなかった。それが証拠だ」
「っ…!」
否定したいのに…カルマを殺せなかった事実。
それがどうしても太宰が言ってるけど事を正しく感じさせる。
太宰「君は、標的以外に対してはとことん優しい。正直、昔から言おうと思っていた事がある。“君には裏社会は向いていない”」
太宰の言葉が私の中の何かを切った。
「…っるさい。うるさい!!お前に何が分かるの!?こっちは5歳から世界一の殺し屋の所に弟子に入れられて、怖い思いも沢山してきた!!お母さんだって、殺し屋だった!お父さんも、裏社会と繋がりがある家に産まれてきて…そんなの、将来が決まってるようなものじゃない!!だから、死ぬ程努力した!この世界で生き残る為に!!」
太宰「今からでも遅くない。表社会が君の居場所だ」
「違うっ!!私の居場所は裏社会…マフィアだけだ!この手で、何人もの人の命を葬ってきたのか、知ってるでしょ!?数え切れないくらい殺してるのよ!?イリーナみたいな11人とか、鏡花みたいな35人でもない!50…100…500…それ以上殺してるのよ!?そんな私が表社会?ふざけんじゃないわよ!!」
太宰「…あぁ、知ってるさ。それでも君はマフィアに居るべきではない」
「だからなんなの!?お前が勝手に私の居場所を決めないで!!!」
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作者名:Maya☆ | 作成日時:2019年8月26日 21時