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逃げるが勝ち ページ16

『でも…そうとでもない限り五条がこの式神倒せるわけないじゃん…というかなんで夏油は五条がこの式神を数分で倒したって分かったの?』

「あぁ、それはメールの受信履歴で。ほら、“ワン公現れたり”ってきたのが4時52分。そうそうこの時にも写真がきていたな。…ブレブレだけど。で、さっき見せた写真がきたのが4時58分」

『…うん。確かにこのブレブレの写真に辛うじて見える二つの白い物体はワンちゃんと五条だろうね。六分であのワンちゃん倒したのか…』




あまりにも信じがたい話でも証拠があるのなら話は別。私は五条が何らかの方法でワンちゃんを数分で倒したのだと大方納得がいった。

というか、本当になんで五条はあのワンちゃんを倒せたのだろうか?

私が戦った時のワンちゃんとは別のワンちゃんだったとか? それとも私が霧尤に知らないうちに弱体化されたとか? もう訳が分からない。




『やっぱりただ単に五条が強くなっただけじゃ』

「だーかーらAがアイツに劣るなんてありえないから」

「右に同じく」

『いや五条信用なさすぎてウケる』




二人の辛辣な批評に私も思わず笑ってしまう。もしこの場に五条がいたら多分今頃喧嘩が勃発していただろう。

…それにしても。

私の頭の中にはある一つの疑問がグルグル回っていた。
それは。




『ねー二人とも。なんで五条って私のところに来たのか分かる?』


「「………………。」」





あれ、無視?

…なんて一瞬思ったけど、二人ともピクリと肩が上がってたからどうやら違うみたい。無表情を保ってるだけ…だねこれは。

そんなに言っちゃまずい事なのだろうか。あぁ、勝手に人の任務についていった事がバレたら夜蛾先生に怒られるとか? いや夜蛾先生に怒られるのは日常茶飯事やん私たち。



『ちょ、二人ともなんで黙ってんの? なんか言ってよ』

「…いや、ちょっと考え事をしてただけだ」

「私も」

『ふーん??』



絶対なんか裏があるよね、この反応、この返答。
問い詰めてやろうか、と思った瞬間。



バ――――ンッッッッッ!!!!




「「『うおっ/キャッ/っ!』」」




医務室のドアが荒々しく開いた。


…やばいやばいやばい。


こんな乱暴な事をする奴、一人しかいない。
絶対に、来た。奴が。



そんなことを思っていると



『あっ、あれ、硝子!? 夏油!!?』



二人がいつの間にかいなくなっており、その代わりに



「よぉ、A」

『…。』




不機嫌オーラドバドバの五条がそこにいた。

推測→←ありえない



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作者名:すば | 作成日時:2022年11月20日 20時

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