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ありえない ページ15

…数分? 数分でって言った?


え、それってあのワンちゃんを五条が数分で倒したってことだよね?



――あんなにも私が苦戦して、何時間も戦い続けた、霧尤の式神を?



しかもたったの一人で?



その事実を間に受けた私は『ありえない』と無意識のうちにつぶやいていた。
…だって、いくらあの五条だからといって、霧尤の式神を数分で倒せるわけない。

倒せたとしても相当な時間がかかるはずだ。なにせ、あのワンちゃんは回復速度がえげつなく、呪力も底知れない式神だったのだから。


だが、それらの事実を覆して五条はあのワンちゃんに勝ったのか。…数分というあまりにも信じがたい事実もセットにして。


でも………やっぱり信じられない。いくら五条が強くても、そんな結果。


根拠なしにじゃ、信じられない。




『その話…本当なの?』



気づけば、そう問いかけていた。

思いもよらぬ反応だったのか、夏油は少し驚いた顔をした後コクリと頷いて、




「事実だよ。なんなら証拠もある」




と、ポケットから携帯を取り出し五条から送られてきたのであろう写真を私に見せてきた。

そこに写されていたのは紛れもない、あのワンちゃんが地面に倒れている写真。…五条のピース付きで。
あまりにも緊張感がない絵面に苦笑してしまった私だったが、その写真と一緒に添えられていた文章に私は固まることになる。



“これ、呪霊じゃなくて式神っぽい”



「式神」



そのワードに、私は五条の勘の良さと思考の鋭さに素直に感嘆するのと同時に、諦めにも近いため息を吐く。

…もしかしたら、裏に第三者がいることを気取られたかもしれない。それよりも五条が帰ってきたら問い詰められるかもしれない。私が。


だが、そんなことを考えても仕方ないのでとりあえず私はこの写真についての感想を述べることにした。



『…式神、か…。というかこれ、本当にあのワンちゃんを五条が一人で倒したってことなんだろうね。状況から見るに』

「まぁ、そうなんだろうね。…だからこそ問う。どうしてAはこの…式神と仮定しようか、に苦戦した?」

『…うーん…』



…それに関しては私も分からない。

なんで苦戦したかって、そりゃあこのワンちゃんが強かったからなんだけど。でも、五条が数分で倒せるレベルだったとしたら…


…あ。



『ただ単に五条が限界超えて私より強くなった説』

「それはない。この中で一番強いのは文句なしにAだ」

「それは私も同感」


『……』

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作者名:すば | 作成日時:2022年11月20日 20時

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