第九十一話 友の元へ ページ41
「おや?理の方ですか」
「あれぇ?るるっちー、あの魔女っ子どこいったのぉー?」
「理が何かを察知し自分の方に呼びつけたのでしょう。まぁ構いません。最後の封印石が見つからなければあのユーグスタクトがいても役に立ちません。捕獲後程としましょう」
「いいのぉー?」
「えぇ。薬の影響でしばらくは動けないはずなので簡単に捕まえられるでしょう。さて、探しに行きましょう」
「おっけぇー!!れっつごぉー!!!!」
「リッド!!」
「っぁ・・・」
ぎゅっと抱きしめられる感触で意識が戻る。甘い匂いと柔らかな感触
「ミ、タ―――アミタ?」
「リッド!まって!動かないで!私が今あなたの呪いを解くから!!」
いつもと違う切迫した親友の声それを不思議そうに眺める
「アミタ?どうした・・・っ!アミタッ!私をお城に還してっ!帰らなきゃ!!」
「だめよ、あそこには、戻っちゃダメ・・・」
「どうして!?壊されているのっ!私のお城が、ユーグスタクトのお城が!!」
「ダメ・・・もう、リッドはあそこに戻ってはいけないの・・・」
静かな、だが確かな拒絶にショックを隠し切れないアストリッド
「ねぇアミタ・・・なにが起きているの?」
「―――私にもわからない・・・いいえ、わかるのは少しだけ。狙われているの。セイラの祈りと、ローレンヌ様の願いが。そしてそれらを叶える事が出来るのはリッド、あなただけ。そしてそれらを叶えるための力はあいつらが持っている・・・いいえ、持ってしまったの」
「あいつら?」
「ルネット・ラザフォード」
「ッ」
やはりあいつかと顔を顰める
「あいつ・・・ふざ、けんな!私は、私達は、あいつの思い通りになんてなってたまるか」
再び出て行こうとするアストリッドをぎゅっと抱きしめ引き留めるアミエリタ
「放して!放してよ!今すぐあいつを殺しに行くの!」
「だめ!私はここから出られないから、止められない!だから、せめてリッドの呪いだけでも解かせて!呪いを解いたらリッドの好きなようにしていいから!お願い!!」
「―――うん、わかった」
しぶしぶアミエリタの前に立つ
「ありがとう、すぐ終わらせるから」
アストリッドの胸に手を、置き目を閉じる
「―――よし、おしまい。リッド、いいよ」
「ありがとうアミタ。私は絶対に無茶はしない。約束する。だから、待っていて?あいつを今すぐに殺してくる。裏切り者も殺す。魔女を裏切り人間の下につく魔女なんて私は許さない・・・」
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時