第九十話 アストリッドの封印石 ページ40
「ほらよ、大将」
「ぐっ・・・」
ルネットとナーシャの前でアストリッドを投げ捨てる。体が動かないのか敵を目の前にして何もできないアストリッド
「さてと、あなたには聞きたい事とやってもらいたいことがあります」
「・・・」
ぼやける視界
頭が全然働いてくれない
「これに見覚えはありますね?」
「っ・・・」
ルネットが取り出したものを見て息を飲む
「封印石。人間界にあった3つとアミエリタが持っていたものを一つ回収しました。そして残るは一つ。それはここにある。どこにありますか?答えなさい」
「―――し、らない・・・」
「とぼけても無駄です。あなたがとぼける様ならばこちらも手段を選びません。あなたが大切というこの城を破壊し探し出すことにしましょう」
「っ!!やめてっ・・・ここは、壊さないで・・・それだけは、だめ・・・」
「では場所を言いなさい」
「知らない!・・・私は知らないの!それは人間界とローレンヌ様を隔てる物なんでしょう?なんでそれがここにあるのよ!なんでアミタがっ・・・お前ッ!アミタに何をしたっ!!何をしたのっ!?きゃっ!!」
投げ出されたままのアストリッドの手を踏むルネット
そして彼女の前髪を掴み、顔を持ち上げる
「質問しているのはこちらです。あなたはこれがなにかを理解していないのですか?」
「さっきも言ったわ・・・」
「そうですか」
「っ!?ぐっ・・・」
迷いなく右手をアストリッドの胸の中に自身の手を沈みこませる
苦痛に顔が歪む
ルネットの手はアミエリタの時と同じく何かを探すように動く
「―――おや、ここにはないようですね。もう一人の時はここだったんですけどねぇ・・・となるとやはり城の方か。見つけ出しなさい」
それが合図となった
鳴りやんでいた破壊音が再開した
「やめて・・・やめてっ!!!」
アストリッドの悲痛な叫び声は届かない
「もうやめてっ!!っ!?」
ドクンッと体内で何かが弾ける
「え・・・?」
驚く間もなく視界が歪み闇に染まった
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作者名:ストゥアート | 作成日時:2017年6月24日 22時